各階級王者

【ボクシング】現役限定!スーパーフェザー級最強王者は誰だ?

スーパーフェザー級といえば、最近まではワタナベジムの内山高志選手がWBAのスーパー王者として君臨していました。

しかし、ジェスレル・コラレスに2連敗し、今のスーパーフェザーに日本人王者はいません。

しかし、この階級王者にはタレントがいます!

WBAスーパーのガーボンタ・デイビス、そしてWBOにはパウンド・フォー・パウンド上位ランカーの精密機械ワシル・ロマチェンコが君臨中。

他にも、WBA暫定にジェスレル・コラレスをKOしたアルベルト・マチャド、WBCに三浦選手との激闘を繰り広げたミゲル・ベルチェルトがいます。

では、それぞれの選手の特徴と、最強は誰なのか見ていきましょう。

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WBC王者 ミゲール・ベルチェルト

1991年生まれ、現在26歳のメキシカン、ミゲール・ベルチェルトがWBCスーパーフェザーのベルトを持っています。

戦績は34戦33勝29KO1敗、かなり高いKO率を誇ります。

元々はサッカーをやっていて、16歳の時プロチームの入団テストを受けるんですが、それに落ちます。それでボクシングに転向したという過去があります。

アマ時代は3度メキシコ国内チャンピオンに輝いているのですが、代表選手にはなれなかったようです。

アマ時代はベルチェルトの上に常にオスカル・バルデスの存在があり、ナショナルチームには入れませんでした。

今バルデスは、フェザーの王者ですね。メキシコ人らしく、見どころは止まらない連打。

フランシスコ・バルデスとの一戦はまさにそれを体現した試合でした。

フランシスコ・バルデスは、その前の1戦で三浦隆司選手と戦い勝っているので、日本人としてはバルデスの方に勝って三浦対バルデスのリマッチを期待しましたが

勝ったのはベルチェルト、これでベルチェルト対三浦が決定します。

この試合でベルチェルトはらしくない戦法をとります。三浦の一撃を警戒してか、距離を取る時間がながく、判定勝ちでした。

確かに、三浦のミゲル・ローマン戦で見せた衝撃ボディやその他左のパンチはベルチェルトでさえ要警戒ということです。

日本人に勝った選手には是非長期政権を築いてほしいところです。直近の試合はガーナのマックスウェル・アウクとの試合。

元々決まっていた同級5位のクリスチャン・ミハエルと戦う予定だったんですが、代替の代替でアウクになりました。

明らかな格下でしたが、さすがベルチェルト。しっかり3ラウンドでTKOで仕留めています。

今後はこの階級で防衛を重ねていくみたいですが

ロマチェンコとガーボンタ・デイビスというビッグネームが他団体にいますので、今ちょっと影をひそめているような位置づけだと思います。

WBA正規王者 アルベルト・マチャド

WBA正規王者にいるのは、プエルトリコのアルベルト・マチャドです。

10歳からボクシングを始め、元々右利きでしたが、矯正のサウスポーとなりました。どうりで右が強いわけです。

プエルトリコ国内の数々の大会を総なめにしますが、ロンドン五輪出場資格は獲得できず、22歳の時プロに転向。

現在まで19戦19勝16KOのパーフェクトレコードで通しています。

178cmの長身を活かし、右ジャブを小まめに打つ。相手が突っ込んで来ればバックステップしつつ、細かい右フックを打ち込む。

他王者に隠れてあまり目立たない存在ですが、強いです。

最新の試合は、日本でもおなじみの対ジェスレル・コラレス選手。2度内山選手に土をつけ、引退の引導を渡した選手です。

その選手にも、腕を畳んだコンパクト右フック一閃。

KOで勝っています。コラレスは内山選手に勝っていたことでスーパー王座となっていましたが、それに勝ったマチャドは正規王者として君臨中。

スーパー王者にいるのは、メイウェザーも認める期待の星ガーボンタ・デイビスです。

WBAスーパー王者 ガーボンタ・デイビス

現在23歳とまだ若く、幼さの残る顔をしているのが現在WBAスーパーフェザー級スーパー王者の座にいるのが、ガーボンタ・デイビスです。

2度WBAスーパーフェザーの王座についており、2018年4月からはWBAスーパー王者として認定されています。

デイビスは5歳からボクシングを始めます。アマのキャリアは輝かしいものでした。多くの国内大会で優勝をかっさらっています。

2006年から2008年まで3年連続でのシルバーグローブス大会優勝、2012年のゴールデン・グローブス優勝など、プロデビューするまでのアマ戦績は206勝15敗という好成績です。

彼がもともと住んでいた西バルティモアのサンドタウン・ウィンチェスター地区は殺人などの犯罪発生率が全米でも群を抜いて高い地位。

そんな場所から這い上がってきた彼は、やはりリング内でもリング外でも、そのパフォーマンスは傍若無人。他を寄せ付けない雰囲気を持っています。

現在までの戦績は20戦20勝19KO!

初の戴冠は2017年の1月。それまで無敗だったIBFスーパーフェザー級王者ホセ・ペドロサ相手に、7ラウンドでのKO劇を演じます。

初の世界戦で硬かったのか、何発か細かいのをもらい顔が上を向くシーンもありましたが、最終的に7ラウンドで仕留めました。

リングサイドにはプロモーターであるメイウェザーも来ており、彼の勝利に喜んでいました。

リングインタビューではメイウェザーもリングにあがり、デイビスを「ボクシングの未来」と絶賛。

それにはにかむ様子のデイビスが、彼らの素晴らしい関係性を物語っています。

次戦はリアム・ウォルシュ戦。この試合はプレスコンフェレンスから舌戦。しかし、デイビス対リアムではなく、メイウェザー対リアムです。

デイビスよりも、メイウェザーの方が話す時間が長いくらいでした。やはり彼はセルフ・プロモーションが上手い!

そしてさらに、デービスは計量で失態を犯します。1回目と2回目の計量でオーバーしてしまい、3度目でやっとリミット。

問題なく試合は行われることになったのですが、戦前から何かと話題にはなりました。

試合時代は1と2ラウンドは静かなものでしたが、デイビスの右ボディジャブがよかったですね。リアムの前進しようとする勢いを止める良い効果がありました。

決まったのは3ラウンド。1.2ラウンドとは打って変わってリアムのクリンチを無理やりほどき、強烈な振り下ろしの左でトドメをさしました。

リングサイドで見ていたジャッジや関係者は、少しストップが早いとの意見もあったみたいですが、あの様子ではデイビスが勝つのも時間の問題だったでしょう。

次戦はIBF同級7位に位置していたフランシス・フォンセカ。現在もデイビス以外では無敗を通していますが、そこまで目立った対戦相手もなく、デイビスにとっては格下です。

しかしこの試合で、デイビスはタイトルを失います。

試合に負けたというわけではなく、またしても体重超過。デイビスが勝手も王者は空位、フォンセカが勝った場合新王者誕生という変則タイトルマッチです。

試合中デイビスは余裕でしたね。体重超過したにも関わらず、相手をおちょくるように両腕を後ろに組んだりしていました。

試合のフィニッシュも物議をかもします。

デイビスの放った振り回しぎみの左が明らかに体勢のくずれた後頭部に当たります。これでレフェリーはカウントをスタート。試合はすっきりしない形で終了してしまいました。

しかもデイビスは倒れたフォンセカを真似するような四つん這いの姿勢を取り、試合終了後も相手をおちょくります。

体重超過、後頭部パンチ、倒れた相手への挑発など、たまらず会場のファンは大ブーイング。

しかもこの試合はメイウェザー対コナー・マクレガーとのダブルメインだったので、師匠であるメイウェザーに花道を飾れない残念な結果になってしまいました。

結果、デイビスの勝ちは勝ちですが、チャンピオンとしての称号は剥奪されます。

次戦は対へスス・クエジャル。2015年から2016年にかけて、WBAフェザー級の正規王者でした。

アブネルマレスに負けてその正規王者を失い、WBAスーパーフェザーのスーパー王者をかけてデイビスと戦います。

こうなると、スーパー王者というのは本当に「正規王者」が二人いるようなものですね。WBAには何とか改善してもらいたいものです。

デイビスの最新の試合は、ブローナ対ガルシアの前座で行われた対へスス・クエジャル。

突進型のサウスポーにも、自慢の野性的な右アッパーと左ストレートで試合を支配。スピードはさらにあがっているようです。

今後は、IBF空位の座につくであろうビリー・ディブもしくはテビン・ファーマーと王座統一の意向もあるとのこと。

リング外でも問題行動の多い暴れん坊ですが、メイウェザーも認める逸材です。丁度一昔前のエイドリアン・ブローナーを見ているようですね。

実際二人は一緒にトレーニングキャンプをしています。問題は、ブローナーのように、上の上の位置にいる選手に勝てるのか、という事です。

ブローナーは、ポールマリナッジやアントニオ・デ・マルコには勝てますが、最高級スターであるショーン・ポーターやマイキー・ガルシアには勝てていません。

このクラスとの選手との試合、そして勝利がデイビスには欲しいです。メイウェザーもそれを分かっているのか、WBOに君臨する絶対王者との統一戦に関して言及しています。

もしその試合が実現すれば、暴力対技術の分かりやすい構造が生まれるので絶対に注目度大でしょう。

そのWBO王座に座っているのは、PFPトップファイター、ワシル・ロマチェンコです。

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WBO王者 ワシル・ロマチェンコ

ウクライナが生んだ現代ボクシングの最高傑作、と言っても言い過ぎではありません。それほどロマチェンコの技術は飛びぬけています。

身長は170cmと一般的。パワーもそこまで強くない。

ですが、卓越したスピードとフットワークで相手を翻弄し、「ロマチェンコ負け」と名前が付くほど、何度も相手を戦意喪失に追い込んでいます。

ボディを絡めたコンビネーションが得意。

よくやるのは、亀のようにガードで丸まった相手に対し、左手でガードを無理やり引きずりおろし、非情にもその空いた箇所に右フック。これで何人もぐらつかされています。

北京五輪とロンドン五輪を2連覇しており、アマ時代の敗北は1度のみ。しかもプロ2戦目で、なんと世界フェザー級王座に挑戦。

相手のオルランド・サリドは、体重超過プラス試合中の反則ギリギリの戦術を使い、何とかロマチェンコを退けましたが、判定はロマチェンコにいってもよかったと思います。

ある意味、プロの厳しさを味わった試合でしたね。しかし、今成長したロマチェンコに、サリドは手も足も出ないでしょう。

3戦目のゲイリー・ラッセル・ジュニアとの戦いで王座獲得。あの卓越したハンドスピードを誇るラッセルジュニアでもかなわず、判定で勝利。WBOフェザーの王者になります。

全く予備動作の見えないジャブから、フットワークで左右どちらにも入れます。しかも、相手の後方にさえ回り込んだりするので、かなりのスピードを持っていることが分かりますね。

ロマチェンコの練習を見ていると、ラダーを使ったフットワーク関連の練習が結構多く見受けられます。

あと、ロマチェンコの練習で有名なのは、テニスボールに糸をつけたヘッドバンドです。これは、日本のジムでもたまにやってる方がいますよ。

 

ロマチェンコ練習風景(テニスボール打ち)

 

糸のついたボールを連続で拳に当てます。動体視力と拳を正しい位置に当てるミート力が必要になってきますね。

確かにロマチェンコのパンチは、重いという感じはしないのですが、スピードと正確性が抜群です。

ただ、デビュー2戦目のオルランド・サリドから4戦目のチョンラターン・ピリヤピンヨー戦まで判定が続き、5.6戦目もかなり有利に試合を進めながら、試合を決めたのは後半。

確かに選手としては強いが、エンターテイメントとしては商品価値が少ない。このようなレッテルを貼られがちでした。

しかし、それが変わったのは対ローマン・マルチネス戦。初回から何度も強烈なパンチを打ち込み、5回で失神KO。しかも井上尚哉を超える7戦目での2階級制覇達成です。

さらに、次戦はニコラス・ウォータース。ドネアに差を見せつけて勝っているウォータースだったので、多少は苦戦すると思われましたが、完全にボクシングのレクチャーでした。

試合はまさに「ロマチェンコ勝ち」。戦意喪失させ、7回TKO勝利です。

最新の試合は2017年末に行われた対ギレルモ・リゴンドー戦。最高の技術同士がぶつかり合う試合が期待されましたが、ここでも圧勝でした。

ダッキングでしかパンチをかわす術のないリゴンドー。いつも出るバズーカのような左ストレートも不発です。

リゴンドーは打ってはサイドに移動するステップで翻弄し、あのリゴンドーですら手も足も出ませんでした。

おそらく、既に相手探しにも困っているのでしょうが、次の相手は日本でもお馴染みのホルヘ・リナレス戦です。

リナレスは好戦的で手数が多いタイプ。ハンドスピードはラッセルジュニアにも劣らないと思います。

さかのぼってみると、ロマチェンコが一番手を焼いたのはラッセルジュニアだったような気もしますね。

ハンドスピードのある好戦的選手がロマチェンコの苦手なタイプなのかもしれません。

以前はコンディションにムラのあるリナレスでしたが、最近は連戦連勝。

おそらく予想はロマチェンコ圧倒的有利で、私自身そう思いますが、どうにか食らいついていってほしいです。

 

 スーパーフェザー級最強王者は誰だ?

文句なしでワシル・ロマチェンコです。パウンド・フォー・パウンド上位にいますし、現在若干の衰えを見せるゴロフキンよりも、私は彼の方が上に位置すると思っています。

非常に楽しみなのは、ロマチェンコ対ガーボンタ・デイビス。最高の技術対最高の野生の対決で、ファンを引き付ける分かりやすい構図です。

おそらくデイビスの飛び込みのスピードを以てしてもロマチェンコはくずせないでしょうが、あの野生味あふれるファイトは、何をするか分からない怖さがあります。

デイビスにとって対戦は時期尚早だとは思いますが、おそらく階級を上げるであろうデイビスに、是非早くドリームマッチを実現させてほしい、そう願うばかりです。

他2人の王者は、キャラクターの強いこの2王者に隠れてしまっていますね。もっと目立ってほしいと思います。

 

 まとめ

以上、現在のスーパーフェザー級に関して書かせていただきました。最強はやはりロマチェンコですね。

彼への対抗馬最右翼はガーボンタ・デイビス。この階級では彼しかいないでしょう。少なくとも、一番目立っているのは彼です。

他の2人では、ロマチェンコのスピードの餌食になるでしょう。今は、誰がロマチェンコを崩すのか、という事に注目が集まってきています。

デイビスでも役不足かもしれませんが、ロマチェンコ攻略の片鱗だけでも見せてくれれば、と思ってしまいます。

おわり

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