
プロボクシング転向後、さまざまな相手と対戦しながらキャリアを積み重ねている那須川天心。
しかし試合内容を追うほど、ファンの間ではこんな疑問が増えてきました。
- なぜ毎回のように判定になるのか
- 技術は圧倒的なのに、なぜKOが増えないのか
- 那須川天心の“今の課題”は何なのか
結論から言えば――
現在の天心は「勝つ完成度」は高いが、「倒す設計」がまだ未完成です。
この記事では、判定が多い本当の理由を整理しながら、KOを量産するために必要な具体的改善点を、ボクシング技術の観点から掘り下げていきます。
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結論:判定が多い最大の理由は「距離支配型スタイル」
現在の天心は、
- 高速フットワーク
- 精密な左ストレート
- 被弾を極限まで抑える距離管理
を軸にした、完全なアウトボクサー型です。
このスタイルの最大の強みは、
- ラウンドを落としにくい
- 主導権を渡さない
- 採点上ほぼ負けない
という“勝ち続けるための安定感”。
一方で構造的な弱点もはっきりしています。
- 相手の懐に長く留まらない
- 単発で攻撃が終わる
- 連打で畳みかけない
つまり現在の天心は、
「倒すための距離」に意図的に居続けない設計
になっているのです。
これが、判定決着が続く最大の理由。
能力不足ではなく、戦い方の優先順位の問題です。
課題① パンチが「当たる」で終わっている
天心の左ストレートはプロでもトップクラスの精度を誇ります。
しかし多くの場面で、
- 左を当てる
- すぐ距離を切る
ここで攻撃が終了しています。
これは“当てて勝つ”には十分ですが、“当てて倒す”には足りません。
KOに必要なのは最低3発以上の連動です。
- 左 → 右 → 左フック
- ワンツー → 右ボディ → 左フック
現在の天心は単発精度が非常に高い分、逆に連続攻撃の意識が薄くなっています。
ここが最初の大きな課題です。
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課題② ボディ攻撃がアクセント止まり
プロボクシングでKO率を上げる王道は、ボディの蓄積です。
しかし現状の天心は、
顔8:ボディ2
程度の比率。
これでは相手のスタミナは削れません。
改善点は明確で、
- 左ボディストレートの増加
- フェイントからのボディ
- ボディ→顔面の連動
これが入れば後半ラウンドで相手の足が止まり、KOの確率は一気に跳ね上がります。
課題③ ロープ際で仕留めに行かない
現在の天心は、相手をロープに詰めても深追いせず離れる場面が多い。
これは安全面では正解ですが、KOという観点では致命的です。
倒すためには、
- 肩で相手を押さえる
- 右→左→右の固定コンビ
- 逃げ道を切って連打
といった“近距離専用の型”が必要。
ここはまだ構築途中です。
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課題④ ギアチェンジが存在しない
天心は全ラウンドを同じテンポで戦います。
安定感は抜群ですが、KOには
「この1分は前に出る」
という意図的なラッシュ時間が不可欠。
現状は、勝つテンポと倒すテンポが一致していません。
井上尚弥との決定的な違い
比較されがちな井上尚弥は、KO前提・パワー主導の破壊型。
天心は被弾を嫌い、精度と距離で制圧するタイプです。
設計思想がまったく違います。
天心はいま、
世界で負けない型を先に完成させている段階
だからKOが少ないのです。
倒すための改善点まとめ
- 単発→連打(当てたら+2発)
- ボディ比率アップ(顔5:ボディ5)
- ロープ際の固定コンビ構築
- ギアチェンジ導入(仕留める1分を作る)
まとめ:今の那須川天心は「倒す準備段階」
今の天心は倒せない選手ではありません。
ただ、
倒しに行く設計がまだ完成していないだけ。
距離感・ディフェンス・試合運びという世界基準の土台はほぼ完成しています。
ここにボディ、連打、ギアチェンジが乗った瞬間、
「判定職人」という評価は一気に消えるでしょう。
――その時こそ、本当のプロボクサー那須川天心の始まりです。
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