中谷潤人

中谷潤人の全戦績・プロフィールまとめ:31戦無敗、3階級制覇の軌跡を完全網羅【2025最新版】

「愛の拳士」という優しげなニックネームとは裏腹に、リング上では冷徹なまでに相手を追い詰める「怪物」。

現在、日本のボクシング界で井上尚弥選手と双璧をなす存在、それが中谷潤人(なかたに じゅんと)選手です。

プロデビュー以来、無傷の31戦全勝
フライ級、スーパーフライ級、そしてバンタム級での2団体統一。いとも簡単に3階級制覇を成し遂げたその軌跡は、完璧すぎて恐怖すら感じさせます。

「なぜ中谷潤人はこれほど強いのか?」
「バンタム級を卒業し、Sバンタム級へ上げた本当の狙いは?」

本記事では、2025年6月の西田凌佑戦を含む全戦績から詳細なプロフィール、そして世界を震撼させたKO劇の数々まで、そのキャリアを完全網羅して解説します。これを読めば、現在のボクシング界を牽引する天才サウスポーの凄みがすべて分かります。

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【Wiki風】中谷潤人のプロフィール・基本データ

まずは、中谷選手の身体能力の高さがわかる基本データを整理します。
彼の最大の武器は、軽量級離れした身長とリーチの長さ、そしてサウスポースタイルから繰り出される規格外のアングルです。

本名 中谷 潤人(なかたに じゅんと)
生年月日 1998年1月2日(27歳)
出身地 三重県東員町
所属ジム M.Tボクシングジム
スタイル サウスポー(左構え)
身長 / リーチ 173cm / 174cm
獲得タイトル 元WBO世界フライ級王者
元WBO世界スーパーフライ級王者
元WBC・IBF世界バンタム級統一王者
戦績 31戦31勝(24KO)無敗

身長173cmというフレームを持ちながら、至近距離での打撃戦もこなす器用さが彼を特別な存在にしています。

また、彼の強さの原点は中学卒業後に単身アメリカへ渡った「武者修行」にあります。ロサンゼルスで現地のメキシカンや強豪スパーリングパートナーと拳を交え、本場の技術とハングリー精神を肌で感じて育ちました。日本育ちでありながら「逆輸入」的なバックボーンを持つことが、世界戦でも動じないメンタルの強さに繋がっています。

なぜ中谷潤人は負けないのか?技術で紐解く「3つの強さ」

「31戦して一度も負けていない(引き分けすらない)」という事実は、現代ボクシングにおいて異常です。なぜ彼だけが勝ち続けられるのか。その理由は、単なるパンチ力だけではありません。

1. 相手を絶望させる「中谷レンジ」

中谷選手の試合を見ていて感じるのが、「相手のパンチが届かない」という不思議な距離感です。
長いリーチを活かしたジャブで相手を弾き飛ばし、自分だけが打てる距離(通称:中谷レンジ)を支配します。対戦相手からすれば、近づこうとすればジャブで止められ、強引に入ればカウンターが待っている。この「詰みの将棋」のようなボクシングこそが彼の真骨頂です。

2. 「見えない角度」からのアッパーカット

彼の代名詞とも言えるのが、ロングレンジから突き上げるような左アッパーと、ガードの外側から巻き込むようなフックです。
特に、相手の視覚外から飛んでくるアッパーは芸術的。アンドリュー・モロニー戦で見せたような「沈み込みながら打ち抜く」カウンターは、相手にとって反応不可能な一撃となります。

3. 氷のメンタルと「遂行能力」

どんなに相手がプレッシャーをかけてきても、表情一つ変えずに淡々と対処する「氷のようなメンタル」も大きな武器です。
鼻血を出した初防衛戦(アコスタ戦)でも、一切動揺することなく作戦を遂行しました。セコンドの指示を即座にリング上で体現する「ボクシングIQ」の高さは、間違いなく現役日本人選手でトップクラスでしょう。

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3階級制覇への軌跡:無敗ロードのハイライト

31戦無敗。その数字以上に、中谷選手が積み上げてきた試合内容は濃密です。ここではキャリアのターニングポイントとなった主要な試合を、ストーリー形式で振り返ります。

【フライ級時代】衝撃の世界初戴冠とアウェーの洗礼

プロデビューから連勝を重ね、迎えた2020年。ジーメル・マグラモ(フィリピン)とのWBO世界フライ級王座決定戦では、8ラウンドKO勝利で見事に初戴冠を果たしました。

世界中にその名を知らしめたのが、初防衛戦でのアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)戦です。
強打者アコスタを相手に、アメリカ・アリゾナ州での完全アウェー防衛戦。鼻血を出させながらも冷静にコントロールし、最後はレフェリーストップを呼び込む完勝劇。この試合で、中谷選手は「日本から来た本物」としてアメリカのボクシング関係者に認知されました。

【Sフライ級時代】ラスベガスを震撼させた「年間最高KO」

階級を上げても、その破壊力は増すばかりでした。
伝説となったのが、2023年のWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ、アンドリュー・モロニー(オーストラリア)戦です。

最終12ラウンド、ポイントでも圧倒していた中谷選手ですが、決して判定勝ちは狙いませんでした。
モロニーが捨て身で前に出てきたところに合わせた戦慄の左カウンター
リングに崩れ落ち、しばらく動けなくなるほどの衝撃的なKOシーンは、ラスベガスの観客を総立ちにさせ、米リング誌などでその年の「ノックアウト・オブ・ザ・イヤー(年間最高KO賞)」に選出されました。

【バンタム級時代】「怪物」化と日本人対決の制圧

そして3階級目となるバンタム級。ここでのパフォーマンスは圧巻の一言でした。

アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を相手に挑んだWBC世界バンタム級タイトルマッチでは、なんと6ラウンドTKO勝利。ノニト・ドネアを破って王者になったサンティアゴを、体格と技術で子供扱いするかのように圧倒し、3階級制覇を達成。

そして2025年、ボクシングファンの記憶に新しいのが6月の王座統一戦です。
IBF王者・西田凌佑との日本人対決。サウスポー同士の技術戦、あるいは長期戦が予想されましたが、結果は中谷選手の圧勝でした。距離感、パワー、スピード、全てにおいて西田選手を上回り、6ラウンドTKOでWBC・IBFの2本のベルトをまとめました。
「国内に敵なし」を決定づけた一戦と言えるでしょう。

中谷潤人 全戦績一覧(31戦31勝25KO無敗)

これまでの全戦績リストです。(2025年12月25日時点)
KO率80%越えという数字が、彼の攻撃力の高さを物語っています。

日付 結果 対戦相手 内容 備考
2025/06/08 勝利 西田 凌佑 6R TKO WBC・IBF王座統一
2025/02/24 勝利 ダビド・クエジャル 3R KO WBC防衛3
2024/10/14 勝利 ペッチ・ソー・チットパルタナ 6R TKO WBC防衛2
2024/07/20 勝利 ビンセント・アストロラビオ 1R KO WBC防衛1
2024/02/24 勝利 アレハンドロ・サンティアゴ 6R TKO 3階級制覇
2023/09/18 勝利 アルヒ・コルテス 12R 判定 WBO Sフライ防衛1
2023/05/20 勝利 アンドリュー・モロニー 12R KO 2階級制覇
2022/11/01 勝利 フランシスコ・ロドリゲスJr 10R 判定 Sフライ級初戦
2022/04/09 勝利 山内 涼太 8R TKO WBOフライ防衛2
2021/09/10 勝利 アンヘル・アコスタ 4R TKO WBOフライ防衛1
2020/11/06 勝利 ジーメル・マグラモ 8R KO 世界初戴冠
(...中略... デビューから連勝街道)
2015/04/26 勝利 糸賀 純一 1R TKO プロデビュー戦

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今後の展望:4階級制覇と井上尚弥への挑戦状

デビューから31戦無敗。3階級制覇、そしてバンタム級統一王者となってもなお、中谷潤人の進化は止まりません。

2025年後半、彼は大きな決断を下しました。
WBC・IBFのベルトを返上し、スーパーバンタム級(55.34kg)への転向です。

これは何を意味するのか?
ファンの誰もが期待してしまうのが、同階級の絶対王者・井上尚弥選手との対戦です。

これまでは「階級が違う」という理由で実現しなかったドリームマッチですが、中谷選手が階級を上げたことで、障害はなくなりました。
もちろん、まずはスーパーバンタム級での実績が必要です。
その第一歩となるのが、今週末(2025年12月27日)にサウジアラビアのリヤドで開催される、セバスチャン・エルナンデスとのWBA暫定王座決定戦です。

ここで勝利すれば、いよいよ「4階級制覇」達成。そして2026年以降、ボクシング史に残る「井上尚弥 vs 中谷潤人」の実現味が帯びてきます。

井上尚弥と中谷潤人、どちらが強いのか?

現時点での実績(4団体統一×2階級)では井上選手に分がありますが、相性という面ではどうでしょうか。

  • 井上尚弥: 圧倒的なスピードと破壊力、完璧な攻撃ボクシング
  • 中谷潤人: 相手を封殺するリーチと距離感、規格外の角度

「井上の踏み込みスピードか、中谷の懐の深さか」
この議論だけで、我々ボクシングファンは一晩中語り合えるはずです。

まとめ:ネクスト・モンスターの伝説を目撃せよ

本記事では、中谷潤人選手の全戦績とプロフィール、強さの秘密について解説しました。

  • 31戦31勝無敗という完璧なレコード
  • 3階級制覇(フライ、Sフライ、バンタム)の偉業
  • 2025年の統一戦勝利とSバンタム級への挑戦

彼は今、間違いなくキャリアの全盛期に向かっています。
アメリカ仕込みの技術と、日本人の魂を持ったこの天才サウスポーが、どこまでボクシング界の常識を覆してくれるのか。

まずは12月27日のサウジアラビア決戦。
私たち日本のファンは、新たな伝説が生まれる瞬間を、固唾を呑んで見守りましょう。

※本記事の戦績データは2025年12月25日時点のものです。


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