
中谷潤人が“世界の中心”に近づくほど、改めて価値が跳ね上がる試合がある。
それが、2023年──ラスベガスでアンドリュー・モロニーを沈めた一撃KOだ。
当時は「衝撃のKO」として語られた。
だが今見ると、印象が変わる。
あの一撃は偶然ではない。
“中谷潤人という怪物が完成していく”ことを、世界に証明したKOだった。
今回は、いまの視点であの夜を振り返る。
なぜリング誌級の「年間最高KO」になったのか。
そして、なぜこの試合が今になって“さらにヤバく見える”のか──。
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中谷潤人の異常性は「左(後ろ手)の打ち分け」にある。
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なぜ今になってモロニー戦を振り返るのか
結論から言う。
この試合は「過去の名勝負」じゃない。
“今の中谷潤人”を説明するための教科書だ。
中谷が強くなったからこそ、モロニー戦の意味が増していく。
- 倒し方が派手だからではない
- 才能の爆発でもない
- 技術・距離・誘導・破壊力が全て噛み合った「完成されたKO」
だからこそ2026年の今、改めて振り返る価値がある。
試合概要|ラスベガスで起きた“静かな大事件”
2023年、アメリカ・ラスベガス。
世界の一流選手たちが集まる“ボクシングの聖地”で、事件は起きた。
相手はアンドリュー・モロニー。
簡単に倒れない、世界レベルの実力者。
だが中谷は、そのモロニーを最終回に一撃で終わらせた。
会場が沸いた?
違う。
会場が「固まった」。
派手な歓声よりも先に、ラスベガスが“静かに震撼”した。
この空気感が、あのKOの異常性を一番よく物語っている。
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試合展開|KOは突然ではない。「伏線」が全部あった
KOだけ切り抜くと、モロニー戦は「一撃で終わった試合」に見える。
だが実際は違う。
終盤のKOは、試合の中で丁寧に“仕込まれていた”。
序盤:中谷が“距離”を支配し始める
まず中谷は、相手の得意距離を消していく。
- 踏み込ませない
- 外させる
- 反応させて、ズラす
やってることは地味だ。
でも地味だからこそ気付かれない。
この時点で相手の脳は、もう「遅れ始めている」。
中盤:モロニーの反応が“遅れていく”
ボクシングは、反応が0.1秒遅れた時点で終わる競技。
中谷の本質はここだ。
強打で倒すのではなく、反応を遅らせて倒す。
結果、モロニーはこうなる。
- 視線が固定される
- ガードが上ずる
- 足が止まり、戻れなくなる
つまり、KOへの道は中盤ですでに完成していた。
終盤:最終回の一撃は「狙っていた」
そして迎えた最終回。
モロニーは「行くしかない」。
でも中谷は「待っていた」。
この温度差が、一撃KOを生む。
逃げながら打ったパンチじゃない。
咄嗟のラッキーパンチでもない。
“ここで来る”を読んで、そこに置いた一発。
KOシーン解説|なぜあれは「見えない角度」なのか
中谷潤人のKOが怖いのは、単に「左が強い」からじゃない。
左を当てるまでの設計が、異常に上手い。
結論:左フックではない。「誘導して仕留めた」
重要なのは、この一連の流れ。
- 見せる(相手の意識を固定する)
- ズラす(相手の防御を歪ませる)
- 入れさせる(相手に攻撃を決意させる)
- 最後に刺す(カウンター)
これが“見えない角度”の正体。
相手はパンチを見ていない。
自分の意識に誘導されて、そこに倒されている。
モロニーのクセを“最悪の形”で引き出した
強い相手ほど「クセ」を持っている。
中谷はそこを狙う。
- 入る瞬間に顎が上がる
- リードに意識が寄る
- 踏み込むと足が揃う
その一瞬の“隙”を、世界レベルの精度で抜いた。
だから失神する。
倒れたのは偶然じゃない。必然。
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ラスベガスが震撼した理由|「叫ぶ」より先に「固まる」
このKOのあと、会場は一瞬止まった。
普通のKOなら、歓声が先に来る。
でもこの時は違う。
「え…いま何が起きた?」という空気が先。
それはつまり、観客の理解が追いついていないということ。
ボクシングの本物の恐怖は、派手な乱打戦じゃない。
理解が追いつく前に人が倒れる瞬間。
モロニー戦のKOは、まさにそれだった。
このKOが“中谷潤人の象徴”になった
この一撃で、中谷潤人は世界に見つかった。
それと同時に、こう思わせた。
「この男、まだ強くなる」
なぜならこの試合で見えたのは、単なるパワーじゃないからだ。
- 距離
- 角度
- 誘導
- タイミング
- そして破壊力
全部が揃っている。
そして揃っている選手は、階級が上がっても強い。
このKOは「結果」ではなく、「予告編」だった。
▼ここまで読んだ人へ
モロニー戦の伏線=中谷の距離支配は「刺し抜くジャブ」に出ている。
→ 【リンク】中谷潤人のジャブ解説(リーチ174cmの支配)
まとめ|2023は衝撃。今見ると、必然
2023年のモロニー戦は、衝撃的だった。
でも2026年の今見ると、もっと恐ろしく見える。
なぜなら、こう言えるからだ。
あのKOは「奇跡」ではない。
中谷潤人が世界最上位に行くための“必然の一撃”だった。
派手なKOはたくさんある。
だが「年間最高KO」と呼ばれるものは少ない。
中谷のKOは、派手だからじゃない。
相手が世界レベルでも、理不尽に終わるからだ。
──そしてその理不尽は、今も更新され続けている。
▼次に読むなら
中谷潤人はなぜ「左」だけでなく“角度”で倒せるのか?
→ 【リンク】中谷潤人の左アッパー(見えない角度の正体)

