
ボクシング界における「生ける伝説」、フィリピンの閃光ノニト・ドネア。
そして、不屈の闘志と無尽蔵のスタミナで世界のベルトを腰に巻いたWBA世界バンタム級王者・堤聖也。
2025年12月17日、両国国技館で行われる「U-NEXT BOXING」のメインイベントで、この注目の新旧対決がいよいよ実現します。
「ドネアの左フックはまだ錆びついていないのか?」
「堤聖也はレジェンド相手にどう戦うのか?」
本記事では、このビッグマッチの見どころ、両者の戦力分析、そしてズバリ勝敗予想まで、ボクシングファンの視点で徹底的に深掘りしていきます。試合前の予習としてぜひ最後までお読みください。
1. 試合概要:ドネアvs堤聖也の基本情報
まずは、この試合の基本情報を整理しておきましょう。
| 大会名 | U-NEXT BOXING vol.4 |
|---|---|
| 開催日時 | 2025年12月17日(水) 17:00開始予定 |
| 会場 | 両国国技館(東京・墨田区) |
| 対戦カード | WBA世界バンタム級タイトルマッチ(12回戦) |
| 王者 | 堤 聖也(角海老宝石) |
| 挑戦者 | ノニト・ドネア(フィリピン) |
| 配信 | U-NEXT(独占ライブ配信) |
この試合は、単なる防衛戦ではありません。かつてバンタム級で一時代を築いたドネアが、自身のキャリアの集大成として挑む可能性が高い一戦であり、王者・堤にとっては「世界的な知名度を得るための最大のチャンス」でもあります。
2. 「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアの現在地
40代でも衰えぬ「左フック」の魔力
ノニト・ドネアといえば、軽量級離れした破壊力を持つ「フラッシュ・左フック」です。
全盛期のスピードこそないものの、井上尚弥との第2戦やアレハンドロ・サンティアゴ戦で見せたように、そのカウンターのタイミングと一撃の重さは健在です。
特にドネアの怖いところは、「相手が調子に乗って攻めてきた瞬間」を狙う嗅覚です。堤選手は好戦的なファイターですが、打ち終わりにわずかでも隙を見せれば、ドネアの左が一瞬で試合を終わらせる可能性があります。
経験値という最大の武器
世界5階級制覇の実績は伊達ではありません。ドネアは試合中に相手の癖を見抜き、戦略を修正する能力に長けています。序盤で堤選手のプレッシャーに苦戦したとしても、中盤以降にアジャストしてくる不気味さがあります。
しかし、懸念点はやはり年齢による反応速度の低下と耐久力です。特にボディへの攻撃や、後半のスタミナ勝負になった際、40代の肉体がどこまで耐えられるかが勝負の分かれ目になるでしょう。
3. 「不屈のスタミナモンスター」堤聖也の強さ
無類のタフネスと手数
堤聖也選手の代名詞といえば、「後半になっても落ちないスタミナ」と「フィジカルの強さ」です。
彼は決して一発で倒すハードパンチャーではありませんが、相手が嫌がる距離で常に手を出し続け、心を折るようなボクシングを得意としています。
特に、比嘉大吾戦や穴口一輝戦で見せたような、激闘になればなるほど輝きを増す泥臭さは、きれいなボクシングを好むドネアにとって最も厄介なスタイルと言えるでしょう。
スイッチヒッターとしての幻惑
堤選手はオーソドックスとサウスポーを頻繁に切り替えるスイッチヒッターです。
ドネアは過去、サウスポー相手に強烈な強さを見せてきましたが、堤選手のように「接近戦で揉み合いながらスイッチする」変則的なタイプはリズムが取りにくいはずです。
この「リズムを崩す力」こそが、今回ドネアを攻略する最大の鍵となります。
4. 徹底予想!勝負を分ける3つのポイント
では、具体的に試合はどう動くのでしょうか? 3つの局面に分けて分析します。
ポイント①:序盤の距離設定
ドネアは、自分の距離(中間距離)で戦いたいはずです。ここで堤選手が、被弾を恐れずに最初からインファイト(接近戦)を仕掛けられるかが重要です。
もし堤選手がドネアの左フックを警戒しすぎて距離を取ってしまうと、ドネアのペースで試合が進み、見栄えのいいパンチをまとめられてポイントを失う可能性があります。
- ドネアの狙い: ジャブで突き放し、カウンターの機会を伺う。
- 堤の狙い: ガードを固めて前進し、ドネアをロープ際へ押し込む。
ポイント②:ボディ打ちの攻防
ドネア攻略のセオリーは「足を使わせる」または「ボディを削る」ことです。
堤選手はボディ打ちが非常に巧みです。特に接近戦での細かいボディフックは、ラウンドを重ねるごとにドネアの体力を奪うでしょう。
ドネアがボディを嫌がってガードを下げた瞬間、堤選手の顔面へのフックが当たるようになります。逆に、ドネアがボディカウンター(左ボディ)を合わせてくる可能性もあるため、堤選手は攻撃時のガードの位置に細心の注意が必要です。
ポイント③:8ラウンド以降のスタミナ勝負
試合が後半、8ラウンド以降にもつれ込んだ場合、圧倒的に堤選手が有利になります。
ドネアは近年、後半に失速する傾向が見られます。堤選手が前半をイーブン、あるいは多少ポイントを取られていても、後半に圧倒的な手数で巻き返す展開が予想されます。
ドネアとしては、前半のうちに「効かせる」一打を当てて、堤選手の前進を止めなければなりません。
5. ズバリ勝敗予想:レジェンド越えの時は来たか?
これまでの分析を踏まえ、当ブログの勝敗予想は以下の通りです。
予想:堤聖也の判定勝利(3-0)
または、終盤10R〜12RでのTKO勝利
【理由】
もちろん、ドネアの一発逆転の可能性は常に捨てきれません。しかし、今の堤聖也選手の充実ぶりと、相性の悪さを考慮すると、ドネアが12ラウンドをコントロールし切るのは難しいと考えます。
堤選手は、井上尚弥選手のように「スピードとパワーで圧倒して倒す」のではなく、「相手の良さを消し、泥沼に引きずり込んで削り倒す」戦い方をするでしょう。ドネアにとって、これほどやりづらい相手はいません。
- 序盤(1-4R): ドネアが鋭いジャブと左フックで牽制し、ポイントをリード。堤は被弾しながらもプレスをかけ続ける。
- 中盤(5-8R): 堤のボディ攻撃が効き始め、ドネアの足が止まる。ロープ際での攻防が増え、堤の手数が上回る。
- 終盤(9-12R): 疲労が見えるドネアに対し、堤がさらにギアを上げる。ドネアはカウンター狙いで単発になり、堤がまとめてポイントを連取する。
このような展開で、最終的に堤選手が明白な判定勝ち、あるいはレフェリーストップを呼び込むと予想します。
6. この試合が持つ意味:世代交代の瞬間を見逃すな
もしドネアが勝てば、40代での世界王座返り咲きという偉業であり、彼の伝説に新たな1ページが加わります。
しかし、もし堤選手が勝てば、それは単なる防衛ではありません。「ドネアに引導を渡した男」として、世界的な評価を一気に高めることになります。
「英雄の黄昏」を見るのか、「新星の爆発」を見るのか。
ボクシングファンなら、この残酷かつ美しい世代交代の瞬間を絶対に見逃してはいけません。
7. まとめ:12月17日はU-NEXTで目撃せよ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
- 試合日程: 2025年12月17日、U-NEXTで独占配信。
- ドネアの勝機: 前半の左フック一撃必殺カウンター。
- 堤聖也の勝機: 徹底したボディ攻撃と後半の無尽蔵スタミナ。
- 予想: 激闘の末、堤聖也が競り勝つ(判定濃厚)。
この試合は、間違いなく年間最高試合(ファイト・オブ・ザ・イヤー)候補になる熱い試合になるでしょう。
当日、会場に行けない方も、ぜひ配信でリアルタイム観戦することをおすすめします。
歴史が動く瞬間を、一緒に見届けましょう!
