
いよいよです。本当にいよいよ来ました。
2025年の年末、我々ボクシングファンにとって「最高のクリスマスプレゼント」とも言えるビッグイベントが、サウジアラビアのリヤドで開催されます。
「The Ring V: Night of the Samurai」
メインイベントには、我らがモンスター・井上尚弥。
そしてセミには、ついにスーパーバンタム級への殴り込みをかける中谷潤人。
この二人が同じリングに立つ意味。
それはもう、一つしかありません。
「次は、お前だ」
という無言のメッセージ交換です。
12月27日の試合をクリアすれば、来年2026年5月、東京ドームでの直接対決が現実味を帯びてきます。
今回は、目前に迫った12.27サウジ決戦の見どころと、その先にある「井上尚弥vs中谷潤人」という、日本ボクシング史上最高傑作のカードについて、現時点での情報を元にガチで予想していきます。
正直、書いていて震えが止まりません。
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【現在地】2025年12月、両者が直面する「最後の関門」とは?
まずは今週末、12月27日の試合を整理しておきましょう。
「どうせ勝つでしょ?」なんて思っていたら大間違いです。今回の相手、そしてシチュエーションは、両者にとって決してイージーな通過点ではありません。
井上尚弥vsアラン・ピカソ(WBC1位)
9月のアフマダリエフ戦、見ましたか?あの衝撃。
「難敵サウスポー」と言われたMJ(ムロジョン・アフマダリエフ)を相手に、あそこまで完璧なゲームメイクを見せつけられるとは、正直想像を超えていました。特にあの右ストレートのタイミングは、芸術の域。
で、今回迎えるのがWBC指名挑戦者のアラン・デビッド・ピカソです。
現在25歳、戦績は33戦32勝17KO無敗1分け。
ピカソの不気味さは、その「若さとスタミナ」、そして独特なアッパーの軌道にあります。メキシカン特有のリズムを持ちながら、現代的なステップワークも使う。
かつてのルイス・ネリのような荒っぽさとは違う、洗練された「しつこさ」がある選手です。
ただ、今の井上尚弥に死角があるかと言われれば、「ほぼ無い」と言わざるを得ない。
唯一あるとすれば、アフマダリエフ戦での激闘からわずか3ヶ月というインターバルによる疲労の蓄積でしょう。
それでも、ピカソが井上のプレッシャーを12ラウンド捌き切る画は浮かびません。
個人的な予想は、「中盤、ボディからの顔面への返しでKO」。
ピカソの手数が増えてきたタイミングで、井上の左ボディが肝臓を突き刺す。そんな展開が見えています。
中谷潤人vsセバスチャン・エルナンデス(Sバンタム初戦)
個人的には、メイン以上に注目しているのがこの一戦です。
6月に西田凌佑を下し、バンタム級4団体統一こそならなかったものの、圧倒的な強さを見せて王座を返上した中谷潤人。
今回がスーパーバンタム級(55.34kg)でのテストマッチとなります。
相手のセバスチャン・エルナンデスは、世界ランクこそ中堅ですが、Sバンタム級で長く戦ってきた生粋の122ポンドファイター。タフネスには定評があります。
この試合のテーマは、勝敗以上に「中谷のフィジカルがSバンタムでどう機能するか」の一点に尽きます。
バンタム時代の中谷は、計量時の姿を見るのが辛くなるほどの減量苦と戦っていました。
それが今回は、1.8kgの余裕ができるわけです。
「水を得た魚」ならぬ「肉を得たネクストモンスター」が誕生する可能性があります。
骨格的にはフェザー級でも戦えるフレームを持つ中谷。
減量から解放された彼が放つ左ストレートは、一体どれほどの破壊力になっているのか。
エルナンデスが早い段階で倒れるようなことがあれば、いよいよ井上尚弥にとっても「無視できない脅威」になります。
もし2026年5月に激突したら?「相性」と「距離」の究極分析
さて、ここからが本題です。
12.27を両者がクリアしたと仮定しましょう。
舞台は2026年、東京ドーム。
「井上尚弥 vs 中谷潤人」
どっちが勝つのか?
ファンなら酒の肴に一晩中語り合えるこのテーマ。
感情論抜きに、技術とデータで分析してみます。
サウスポー対策は完成したか?(アフマダリエフ戦の振り返り)
「井上尚弥はサウスポーが苦手ではないか?」
この説は、過去のパヤノ戦、ダスリナス戦で否定されたと思っていましたが、ネリ戦の1Rダウンで再び囁かれるようになりました。
しかし、9月のアフマダリエフ戦でその懸念は完全に払拭されましたね。
あの試合で井上が見せたのは、「外側から足を踏み込んでの右」だけでなく、「相手のジャブに合わせた内側からの左フック」。
サウスポーのメリットである「距離」と「角度」を、井上はステップワークとハンドスピードで完全に無効化していました。
ただ、中谷潤人はアフマダリエフとはタイプが違います。
MJが「飛び込んでくるサウスポー」なら、中谷は「入らせないサウスポー」です。
中谷潤人の「A級・S級」の距離感
中谷の最大の武器は、172cmの身長と規格外のリーチから繰り出されるロングレンジの攻撃。
特に、相手の入り際を狙うアッパーと、見えない角度から飛んでくる「神の左」は凶悪そのもの。
井上尚弥といえども、この「中谷の距離」を突破するのは容易ではありません。
過去、井上が苦戦した(と言っても判定勝ちですが)ドネア1戦目や、田口良一戦を思い出してください。
共通するのは「距離感の良い選手」「タフな選手」相手には、KOまで時間がかかる傾向があること。
中谷が徹底してアウトボクシングに徹した場合、井上が空転させられるシーンも十分に考えられます。
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勝敗予想シミュレーション!カギを握る3つの展開
現時点での私の脳内シミュレーションは以下の3パターンです。
パターンA:井上尚弥の「4-6ラウンドKO」
これが一番可能性が高いシナリオです。
中谷のリーチは脅威ですが、井上の「踏み込みのスピード(瞬発力)」は、中谷がこれまで対戦してきた相手(モロニー、サンティアゴ、西田など)とは次元が違います。
中谷がジャブを突こうとした瞬間、すでに井上が懐に入っている。
そして、中谷の長い胴体(ボディ)に強烈な左レバーブローを突き刺す。
長身選手にとって、インファイターの強烈なボディ打ちはスタミナを削られる一番嫌な攻撃です。
足が止まった中谷を、最後は右ストレートで沈める。これが「モンスター勝利」の王道パターン。
パターンB:中谷潤人の「後半ストップまたは判定勝ち」
中谷が勝つならこのパターン。
序盤、井上のスピードに面食らう場面があっても、中谷の高いガードと柔軟性で決定打を許さない。
そして4ラウンド以降、目が慣れてきた中谷が、井上の入り際にカウンターを合わせ始める。
特に怖いのが、ルイス・ネリが井上からダウンを奪ったような、打ち終わりの隙や、強引に入ってきたところへの左カウンターです。
中谷のカウンターは「見えない」と言われます。
井上が攻め急いだ一瞬の隙を突き、ダメージを与え、後半にかけてリーチ差で塩漬けにする、あるいは蓄積したダメージでレフェリーストップを呼び込む。
オッズメーカーの視点と海外の評価
海外のボクシングフォーラムや予想サイトを覗いてみると、現時点では「7:3」または「6:4」で井上尚弥有利の声が圧倒的です。
やはりP4P(パウンド・フォー・パウンド)1位に君臨し続けてきた実績と、4階級制覇の経験値は重い。
しかし、中谷への評価も急上昇しています。
「Inoueの最大のライバルになるのはNakataniしかいない」
「体格差(Size matters)が勝負を分けるかもしれない」
という声は日に日に増えています。
まとめ:12.27は「東京ドーム」へのプロローグだ
結論として、現時点で私がどちらに賭けるかと言われれば…
心を鬼にして言えば、まだ井上尚弥です。
理由は「経験」と「フィジカルの完成度」。
Sバンタム級という階級において、井上の肉体は完成されています。対する中谷は、これからこの階級にアジャストしていく段階。
2026年5月という時期は、中谷にとって少し早すぎる決戦になるかもしれません。
しかし、中谷潤人というボクサーは、常に我々の予想を「良い意味で」裏切ってきました。
彼が12.27の試合で、エルナンデスを相手にどんなパフォーマンスを見せるか。それ次第で、この予想はひっくり返る可能性があります。
12月27日、Lemino(またはDAZN)の前で正座待機。
これ一択です。
井上尚弥が「モンスター」である証明を続けるのか。
中谷潤人が「ネクスト」の枠を壊しに来るのか。
日本のボクシングファンで良かった。心からそう思える夜が、もうすぐやってきます。
皆さんはどう予想しますか?ぜひコメント欄で熱い意見を聞かせてください!


