フライ級も日本人にとって馴染みのある階級です。
古くは日本人初の世界チャンピオンである白井義男氏、今は木村翔選手がWBOフライ級の座についています。
比嘉選手が先日残念なことに体重超過で王座剥奪、さらに試合にも負けてしまいましたが
ライトフライから上がってきて3階級制覇を目指す田中恒成選手など、日本人の役者にもまだ事欠きません。
他にもWBAにはアルテム・ダラキアン、この前比嘉選手に勝ったクリストファー・ロサレスはWBCのチャンピオンに輝きました
日本人対決で高視聴率をたたき出した亀田興毅対内藤戦もフライ級
今度その亀田選手と戦う予定のポンサクレック・ウォンジョンカム選手も、フライ級で防衛最多記録を持っています。
では、現役選手の中で誰が最強か、見ていきたいと思います!
フライ級最強チャンピオンは?
まず軽く各団体のチャンピオンをおさらいしておきましょう
WBA | WBC | IBF | WBO |
---|---|---|---|
ウクライナ アルテム・ダラキアン 2018年2月24日 (0) 16-0-0-0 (11) |
ニカラグア クリストファー・ロサレス 2018年4月15日 (0) 27-3-0-0 (18) |
空位 | 日本 木村翔 2017年7月28日 (1) 16-1-2-0 (9) |
まずは日本選手の状況
もし、比嘉選手の体重超過、そしてTKO負けがなければ、日本最強そして世界最強には間違いなく比嘉大悟選手をいれていました。
まだ処分等先のことは決まってはいませんが、このままフライ級に居続けることはないでしょう。
もしかしたら、ケジメのつもりでもう1戦だけフライで戦う可能性もないことはないですが、この階級から比嘉選手は外したいと思います。
この階級での王者は、今WBOに木村翔選手がいます。中国上海という完全アウェーで、中国の英雄ゾウ・シミン選手と戦い、11ラウンドの激闘の末、王座を奪取しました。
海外でのジャイアントキリングは非常に珍しく、日本よりも中国で有名になっています。
卓球の福原愛に次いで、「中国で最も有名な日本人」と言われ、木村選手が所属する青木ジムには中国のメディアが連日駆けつけているそうです。
ちなみに木村選手はデビュー戦は1ラウンドKO負けを喫しているんですね。そこから海外で王座を奪取するんですから凄いです。
木村選手への日本人対抗馬としては、やはりライトフライから上がってきた田中恒成選手でしょう。
これが実現するとしたら、お互いに利点のある試合になると思います。
まず、田中選手に欲しいのは全国区の知名度!
アマ時代高校4冠を成し遂げ、「中京の怪物」として鳴り物いりでプロ入りしましたが、全国放送も時間帯は夕方あたりで、ゴールデンタイムでのお披露目はしていません。
対木村選手であれば、それも可能です。アマ経験もほとんどなく、デビュー戦は1ラウンドKO負け、その選手が日本人として海外で36年ぶりに王座を奪取。
その選手に、アマエリートの田中恒成が挑戦するとなれば、非常に良いストーリーです。この構図は全世界でうけるストーリーですね。
木村選手の凄いところは、恵まれた体格でもなく、目立ったパンチ力もなく、驚くようなスピードもない
にも関わらず、気持ちとスタミナーでアマエリートをなぎ倒してきたことですね。
しかもそれが普通の試合ではなく、世界タイトルマッチ2戦。この2戦の勝利があるので、アマエリートの田中恒成との対戦も結果が予想できません。
この2戦がなければ、明らかに田中有利だったでしょうが、予想の難しい一戦です。
日本国内のランカーでいえば、黒田雅之選手かスター候補の中谷潤人ですね。黒田選手は主要4団体ですべて世界挑戦が狙える15位以内にランクされています。
狙うとすれば、ドニー・ニエテスが返上したIBFで王座決定戦になる可能性が高いでしょう。
黒田選手は2013年にファン・カルロス・レベコのWBA王座に挑戦していますが、3-0の判定で敗れています。
バランスボールに乗ってのシャドーや、ゆっくりした舞踊のようなシャドーなど練習方法も独特です。
ですのでバランスがいいようで、対村中優の日本フライ級タイトルマッチで見せた右フックが非常に切れていました。
既に31歳で、世界挑戦が次あるとしたらそれがラストチャンス。どこにでもいるような普通の好青年といった感じの選手ですので、是非頑張ってほしいですね。
中谷選手は今20歳でプロデビューから14連勝。2016年全日本フライ級新人王に輝き、初代日本フライ級ユース王者にも輝いています。
この選手がさらに経験を積んだら、間違いなく黒田選手以上にはなると思います。手足が非常に長いのが特徴で、左ストレートか凄く伸びていきます。
木村選手とこの前戦った五十嵐選手のような感じですね。
まだ若いので時間はある。今後は日本王座、東洋太平洋王座とチャンピオンへの王道ロードを歩んでいってほしいです。
そうは言ってもやはり日本トップは木村翔、もしくは田中恒成の二択でしょう。私は田中恒成につけたいと思います。
田中恒成は、何と言ってもスピードとタイミングの良いパンチ、サイドステップからの攻撃のバリエーションが素晴らしい
打たれ弱さは、恐らく減量苦から来たのだと思います。相当消耗しきっている
木村はアマエリートのテクニックを崩すスタミナを持っている事
木村選手は五十嵐戦で目立った大ぶりが目につきますが、右ストレートは綺麗ないわゆる
ノーモーションブローです。
大ぶりの中にそれが入ってくるので、ゾウも五十嵐も当たってしまったのでしょう。
そんな木村翔ですが、田中恒成のスピードにはついていけていけないと思います
減量苦から解放された田中恒成は本来の強さを取り戻すと予想します
海外勢の動向と日本人選手の位置
ドニー・ニエテスが階級をスーパーフライに上げたことに伴い、IBFは空位となりました。
この階級での海外勢は、「SuperFly2」にてブライアン・ビロリアを退けたWBA王者のアルテム・ダラキアン、そして比嘉選手を先日倒したWBC王者のクリストファー・ロサレス選手です。
ファン・フランシスコ・エストラーダ、ドニー・ニエテス、そして比嘉大悟の階級上げで、この階級には新陳代謝が活発になるでしょう。
アマエリートのゾウ・シミンは手術で回復の見込みはあるそうですが、視力が0.1まで低下しており、トップ戦線からは一歩退いたという感じがあります。
アルテム・ダラキアンですが、直近のブライアン・ビロリア以外はそこまで強敵との試合はありませんね。
WBAコンチネンタルを4度防衛した後、「SuperFly2」での試合が初めての世界戦でした。
ダラキアンの特徴はそのパワーですね。見たところフライ級チャンピオン陣の中で、ロシア圏の選手らしく力強いボクシングをします。
次戦のヨーッモンコン・ウォー・センテープもそこまで強さは感じられないので、このレベルはクリアしておきたいところです。今後の強い相手との試合に期待です。
クリストファー・ロサレス選手はこの前の対比嘉戦を見ても感じましたが、体格が大きいですね。元々スーパーフライの選手だったようです。
キャリアの浅い時期ですが、現スーパーフライ級王者のカリッド・ヤファイとも戦っています。
減量するよりも自身のベストコンディションが保てる階級で戦おうとする海外勢では珍しく減量がきつそうでしたね。
比嘉戦のため日本に来てから、目元以外は全て隠し汗を出していたそうです。ですがこの選手もおそらくフライへ長くとどまることはないと思います。
169cmはフライには高身長です。スーパーフライの計量を見てもきつそうでしたから、なおさらでしょう。
こう書くと、やはり比嘉選手にはもっと節制してほしかったと思うばかりです。。
無理な注文ですが・・ごめん、比嘉大吾選手
ロサレスはローマン・ゴンザレスと同じニカラグアなので、そのロマゴンと練習する機会も多いようです。元PFP上位の人間とスパーを重ねれば、それは強くなります。
やはり武器は高い位置から落されるようなストレート。たしかに比嘉選手といえどベストコンディションでなければ倒せない相手です。
スピードがそこまであるという印象がありませんが、やはり手が長い。しかもそれでインファイトも出来る。比嘉戦で証明済ですね。ワン・ツーも非常にきれいでした。
前述のとおり、ロサレスには手の長さという利点がある。
これで木村の突進は止められやすくなります。左ジャブの連続で止めてから、アッパーというコンビは比嘉戦でも見られましたので、これは非常に有効です。
ロサレスはゾウ、五十嵐のようなアマエリートのように綺麗なボクシングで勝つ選手ではないので
もし木村とあたるとしたら、木村にとっては世界の舞台で初めてのタイプの選手です。
ロサレスは比嘉戦で日本のボクシングファンも味方につけたという印象があります。
決して比嘉大吾を責めることなく、大人のコメント?比嘉を心配するようなコメントを残していたのでね
ロサレス、木村、ダラキアン、田中がわずかな差で同列にいるというのが、現フライ級の状況であると思います。
個人的な意見としては、この4人の中でしたら、田中恒成をフライ級最強とします‼
前回の試合のパランポン戦は、恐らく体調が良くなかったと思います(減量苦?)
それと、少し相手をナメてしまったのではないか?その結果ダウン&眼窩底骨折(がんかていこっせつ)に・・
田口良一との統一戦を白紙にしてしまいました。自分から喧嘩を売っておいてね
だが前々回の最強の無敗チャレンジャー、アンヘル・アコスタを初のダウン&大差の判定で勝っているので本気の?田中恒成はメチャ強いと思います
後にアンヘル・アコスタはライトフライ級チャンピオンになっています
戦績:18戦 17勝 17KO 1敗 唯一の負けは田中恒成
また対抗馬としては、ロマゴンやダラキアンに敗れてるとはいえ、元スーパー王者のブライアン・ビロリアのステップイン・アウトの早い良い選手です。
日本での試合経験もあるので、この選手と日本人2人の試合も面白いでしょう。
まとめ
絶好調ではなかったとはいえ、比嘉選手相手に初めての世界戦、しかも海外でアップセットを起こしたクリストファー・ロサレスは大したものですが
日本人として今最も見たいのは、やはり木村翔対田中恒成戦ですね。
減量苦から解放された田中恒成の強さは他を寄せ付けないと思います
という事で、現在のフライ級最強は、まだチャンピオンになっていませんが、田中恒成!!
田中恒成のベスト階級はフライ級ではないかもしれません、スーパーフライ級でも行けると思います
シーサケットともいい勝負を展開すると思う
その他日本国内での注目は日本チャンピオンの黒田選手、スーパールーキーの中谷選手です。
海外勢で今最も目立った存在はロサレス選手です。海外でもジャイアントキリングとして紹介されていました。
今まで幅を利かせていたニエテス選手などが上の階級にあがっていったので、今後誰が長期政権をきづけるのか、注目していきたいと思います
田中恒成だったら長期政権を築きそうな気がしますが
やってみなくてはわからないので、今後のファイトが楽しみですね
おわり