一年間の長丁場のWBSSバンタム級トーナメント決勝戦は井上尚弥の判定勝利で幕を閉じました。
決勝の相手はレジェンドのノニト・ドネア。
戦前は「安パイ」と言われていましたが、ドネアが意地を見せて井上尚弥を最後まで苦しませました。
ホントに苦しんで手にした「アリトロフィー」
そして試合後には、トップランク社と契約も決まりました。
この激闘の決勝戦の詳細を書いていこうと思います。
WBSS決勝戦 井上尚弥VSノニト・ドネア
近年まれに見る激闘とハイレベルの技術戦でもありました。
戦前では、勝利オッズで井上尚弥が1.1倍、ノニト・ドネアが5.5倍と井上尚弥が大きくリードしていました。
それもそのはず、井上尚弥はバンタム級で世界チャンピオンたちを次々と早いラウンドでKOしていますから。
ですが、そうならないのがボクシング。5階級制覇のレジェンドのノニト・ドネアは36歳とボクサーとしては高齢ですが、「キャリア」は凄まじいモノを持っていました。
計量が終わり実際リングに立つと、井上尚弥とは2回りほど対格差があるように感じました。
キッチリ体重を戻してきましたね。最近はフェザー級で戦っていたので、耐久性もありそうでした。
でもまさか井上尚弥がここまで苦戦するとは・・
相性なのか、手の内を読まれているのか・・
井上尚弥VSノニト・ドネア 決勝戦 試合詳細
1ラウンド
お互い静かな立ち上がり、ですが早速井上尚弥がボディーブローを放つ、相変わらず早いパンチ。
尚弥、手数も出ていて上々な立ちあがり、ドネアがフックを放つが、見事にかわして次の攻撃に向かう。
このラウンド尚弥優勢。
2ラウンド
このラウンドも尚弥優勢で、パンチも当たりだしたが、余裕を持ちすぎたか、左ガードをだらんと下げて早くも総攻撃の開始かと思いきや、ドネアの伝家の「左フック」が尚弥の顔面にヒット。
この攻撃で井上尚弥がプロ転向「初めて」右まゆをカットして「初めて」流血してしまう。
このラウンドはドネアか。
3ラウンド
ドネアはこの尚弥の流血で余裕を持ったか、徐々に自分のペースに持ち込みつつある。
だが、井上尚弥もカットした部分をガードしながら、慎重にドネアの攻撃を見切っていき、パンチを出していく。
尚弥盛んにジャブを出していきドネアの攻撃を許さない。ドネアも尚弥がパンチを出したタイミングで左カウンターを狙っていく
尚弥優勢
4ラウンド
尚弥の流血も収まりつつあり、攻撃の厚みを増していく、ドネアもフェイントを上手く使い左フックをボディや顔面に放つが、尚弥もブロック。
ドネアも無理にはいかず、チャンスを待っているように見える。不気味だ。
尚弥優勢
5ラウンド
このラウンドも尚弥がジャブから攻撃を仕掛ける。
そして尚弥の左フックもカウンター気味にドネアに当たる。やはりハンドスピードは尚弥で、先に尚弥のパンチが当たる。
ここで尚弥の右フックがドネアにヒット!ドネアの腰が落ちる。尚弥の攻撃が増していくが、ドネアもディフェンスがうまく、ダッキング等で何とかかわす。
尚弥優勢
6ラウンド
尚弥の流血も止まり、いよいよエンジン全開か、尚弥攻撃の厚みを増していってドネアのパンチをかわしては右フックや左フックを当てていく。
ドネアも圧力をかけて、伝家の左フックを放つが、交わされ終了。
尚弥優勢
7~9ラウンド
このまま尚弥ペースと思いきや、ドネアの経験値か、尚弥の顔面にパンチをヒットさせる。
左フックや右ストレートが尚弥の顔面に当たりだし、尚弥が効いてしまっている・・
こんな尚弥初めて見た。そんな光景がありました。
尚弥の止まっていた眉の流血が出だしてしまい、ピンチ。だが最後のところで交わして何とか逃れる。
この3ラウンドはドネア。
10ラウンド
ここからの3ラウンドが正念場。ここを取らなければヤバい展開になると思ったが、尚弥再び攻撃にでる。
細かく速いジャブやストレート、カウンター気味の左フックがドネアに当たりだす。
ボディー、顔面とパンチを散らしいつもの尚弥らしさが出る
ドネアも応戦したいが、尚弥の攻撃が勝り、このラウンドは尚弥優勢。
11ラウンド
このラウンドも尚弥の右ストレートが当たり、ドネアは窮地に。
ドネア劣勢になったところに、得意のコンビネーションブロー、右フックからの左ボディーブローがドネアのレバーに当たり、よろめきながらダウン!!
ドネアとても苦しそう・・だがギリギリで立ち上がり、何とか尚弥の攻撃を耐えてラウンド終了。
ここは尚弥の10-8。
12ラウンド(最終ラウンド)
尚弥は一気に攻撃に出たいが、ドネアも一発カウンターを狙っているようで、尚弥警戒しながら攻撃を仕掛ける。
尚弥は左ボディーや顔面にパンチを当てているが、ドネア倒れない!耐久力がすごい。
ドネアも最後の力を絞って、「フィリピーノフラッシュ」を放つが、尚弥も十分警戒しているので、当たらず。
尚弥最後まで攻めるが、ドネアなかなか倒れない。これぞレジェンドの意地。
そして終了のゴング。決着は判定へ
試合後は両者抱き合って健闘をたたえている。すごくいい光景です。
こんな光景最近あったかな?
井上尚弥VSノニト・ドネア判定結果は?
勝者とても疲れていますね。尚弥もぐったりしてる。
判定結果。
114-113
117-109
116-111
3-0で井上尚弥の判定勝利でWBSSバンタム級トーナメント優勝!!
師弟対決の激闘を制しました。
試合後もリングでリスペクトしあっていて、ホントに感動です!
井上尚弥試合後インタビュー トップランク社と契約
尚弥の試合後のインタビューで、ドネアはメチャメチャ強かったと。それもそのはず、あの尚弥が被弾&流血&判定までもつれ込んだのだから。
個人的にも、流血は想定外の出来事です。まさか尚弥が流血だなんて・・
もともとは井上尚弥はドネアをお手本としてボクシングをしてきました。その場面が随所に出ています。
相手がパンチを放った後の左フックのカウンター。あれはドネアも得意としています。
あの強力なパンチが「フィリピーノフラッシュ」です。
そして右フックからの左ボディーもドネアをお手本とした攻撃パターンではないでしょうか?
そして、試合後にはトップランク社と複数年契約も決まりました。
井上尚弥VSノニト・ドネア ラウンドガールは?
井上尚弥VSノニト・ドネア決勝戦のラウンドガールは、これまでも出ていただいた神部美咲さんと、みうらうみさんです。
華やかにリングを飾っていただきました。
関連記事:WBSSボクシングバンタム級が開催予定!選手や優勝賞金や日程は?
まとめ
WBSSバンタム級トーナメント、井上尚弥VSノニト・ドネアは井上尚弥が流血、被弾もしながらもレジェンドのノニト・ドネアを判定で下して優勝しました!
1回戦のパヤノ戦といい準決勝のロドリゲス戦といい、早い回での決着で、今回も早いラウンドで終わるのかと思いましたが、師匠のドネアが意地を見せて井上尚弥を最後まで苦しめました。
井上尚弥の全てを知っているドネアだからころ、判定まで行ったのかなと思います。
同時に、井上尚弥も弱点というか、まだまだ改善の余地がある事がわかりましたね。
井上尚弥はWBSSバンタム級も制して、トップランク社とも契約、次戦からは本場のアメリカで試合を行うので、地上波では観られないかもしれませんね。
この先、井上尚弥はどうなるのか?楽しみです。
バンタムに残るのか、階級を上げて4階級制覇を目指すのか?
日本の至宝「井上尚弥」これからも目が離せません。
おわり