各階級王者

【ボクシング】現役限定!ライトヘビー級最強チャンピオンは誰だ!

この階級に現在王者は4人。WBA、IBF、WBOは共にロシア人3人が牛耳っています。

当然、こちらも日本人には縁のない階級。今軽量級で活躍中の拳四朗選手の父、寺地永選手がOPBF東洋太平洋の王者を獲得したくらいです。

他にも西澤ヨシノリ、クレイジー・キムらが同王座を獲得していますが、世界挑戦はいまだありません。

それでは、各団体の王者達を見ていきましょう

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WBA王者ディミトリー・ビボル

ロシアの選手です。現在まで13戦13勝11KOのパーフェクトレコード。母親が韓国系なだけあって、アジア色の強い顔立ちおしています。若干ユーリ・アルバチャコフのような感じ。

6歳でボクシングを始め、2012年と2014年のロシア国内アマチュアボクシング選手権で優勝を経験。アマの戦績は268勝15敗となっています。

2014年のプロデビュー。同級暫定王座についたのは7戦目。

ロシア人ボクサーで最速の王座獲得です。当時暫定王座にいたドミニカのフェリックス・バレラに判定勝利。2人が119-107をつけるなど大差でした。

ライトヘビーの試合数試合見ましたが、一つ下のスーパーミドルよりスピードがありそうな選手が多いですね。

ビボルは右構えのオーソドックスですが、バックステップが鋭く、そこからのカウンターが上手いですね。

さながらロシアの井上尚哉、といえば言い過ぎでしょうか?暫定王者3度防衛の後、正規王者と認められます。

既にアメリカデビュー済み。

基本はヒット&アウェイですが、打ち合いも出来るので「うける」選手です。最新の試合はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、キューバのサリバン・バレラとの防衛戦。

お互いスピードある選手でミドルの試合を見ているようでした。が、ビボルのスピードの方が上手、サリバンはてんてこ舞い状態。

鋭いワン・ツーがやはり魅力的。ジャブが若干ゴロフキンのようでした

1位のトップコンテンダーの挑戦者でしたが、手も足も出ませんでしたね。これでビボルは統一戦へ駒を進めたと言っていいでしょう。

 

 WBC暫定王者オレクサンドル・ボズジク

先日リナレスとの激闘を繰り広げたロマチェンコと同郷のウクライナ出身ボクサー。

アマ経歴もロマチェンコ同様素晴らしく、ロンドン五輪でライトヘビー級銅メダルを獲得しています。

2014年にプロデビュー、やはりアマエリートが好きなトップランクに引き抜かれます。

現在まで戦績はパーフェクトの15戦15勝12KO。15戦目でWBCの暫定王者を、メディ・アーマーを倒し獲得します。

アーマーが数発返す場面もありましたが、終始ボズジクが圧倒する展開で終わります。

防衛戦はまだですが、ビッグマッチがあるとすれば、WBC正規王者のアドニス・スティーブンソンとバドゥ・ジャックの勝者との試合。

ビボルに比べて不格好な感じですが、ワンツーからのボディが綺麗な選手。ライトヘビーは本当実力者揃いですね、全王者長期政権築けそうな雰囲気もってます。

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 IBF王者アルツール・ベテルビエフ

ロシアの選手。こちらも全勝で12戦12勝、しかも12KOです。2006年と2010年のヨーロッパアマチュアボクシング選手権ライトヘビー級で金メダルを獲得。

2007年の選手権では、なんとセルゲイ・コバレフに勝っています。

ロンドン五輪にも出場経験があり、今クルーザー級王者のアレクサンドル・ウシクに負けてメダルはならずでしたが、アマ実績は十分。

2013年にアル・ヘイモンとの契約でプロデビュー。2017年にエンリコ・コーリングとIBF同級の王座決定戦を行い、最終ラウンドKO勝利で現在の王座を獲得します。

全KO勝利だけあってどのパンチも強い。ダウンを取った後も淡々と試合を展開するので、渋くて格好いいです。特徴を言うならば、右のフックとショートパンチ。

フィニッシュブローや多くのダウンをとっているのは右フック。

さらに、相手をコーナーに詰め、細かいショートで相手を亀状態にし、そこから力強いストレートなどで終わらせることもありました。

ハードパンチャーは大ぶりのイメージが強いですが、全くそういう事はなく左右共に非常にコンパクト。

これでは避けられませんし、それで威力が半端ないとなると、相手にとってはたまったものではないですね。

ガチャガチャになることがなく、1発で射抜くところがカッコいいファイターです。注目しておいた方がいいでしょう。

 WBC正規王者アドニス・スティーブンソン

ライトヘビーで最も名前があるのは、WBOのコバレフか、このスティーブンソン。

現王者達の中で、在位期間は2013年からと最も長いのがWBC王者のアドニス・スティーブソン。

リングマガジンのタイトルも2013年から2年間持っていました。その左のパワーとハンドスピードが彼の特徴です。

出身はハイチ。7歳の頃カナダのケベックに移り、14歳で生粋のワルに。暴行罪などで4年の刑務所暮らしも経験しています。

ボクシングを始めたのが20代の後半。しかも始めたその年にケベック州のアマ王座を獲得します。

その他2005-2006年のカナダ国内ベストアマチュア選手に選出されるなど、センス抜群だったことが伺えます。

悪をせずにもっと早くからボクシングをやっていれば、と本人も思ったでしょう。

プロ入りは2006年。29歳の時でした。キャリア初期はスーパーミドルで戦っていましたが、王座挑戦のチャンスに恵まれず、今のライトヘビーに転向します。

現在まで戦績は30戦29勝24KO1敗。

1敗した相手ダ―ネル・ボーンにも、KOで雪辱を果たしています。スーパーミドル時代の敗戦で、ライトヘビーに上げてからは負けは有りません。

チャド・ドーソンから王座を奪取して以降、防衛は現在8連続成功中。しかしその中で言われるのが、「スティーブンソンは格下としか戦わない」という事。

何度も対戦が浮上したWBCのトップコンテンダーであるエレイダー・アルバレスですが、未だ実現はしていません。

ルシアン・ビュテ、ジャン・パスカルを倒しているアルバレスは間違いなく実力者。

2年程アルバレス側からWBCとスティーブンソン側に要求しているようですが、お金の問題なのか、実現には至っていません。

アルバレスはスティーブンソンを諦め、今度セルゲイ・コバレフに挑戦します。

2009年デビューで試合数が今まで23試合と少し少ないですが、間違いなく実力者。この試合も楽しみです。

スティーブンソンの次戦は、スーパーミドル級から上げてきたバドゥ・ジャック。

メイウェザープロモーション所属の選手なので、露出も何かと多めです。スティーブンソンにとっては防衛戦最大のビッグマッチといえるでしょう。

バドゥ・ジャックとの試合でも注目はやはりスティーブンソンの左。

「左が当たればOK」のような感じの選手ですが、絶妙なタイミングで打ち込むカウンターを始め、テクニックも一級品です。

出入りのスピードも速く、身長のわりにリーチが196cmとかなり長いのが有利に働きます。

しかし2013年から王座にいるにも関わらず、一度も指名挑戦者や統一戦がないのも事実。WBCのトップコンテンダーであるアルバレスや、他団体王者との統一戦がこの選手には必要です。

WBO王者セルゲイ・コバレフ

ライトヘビー級戦線で一番名前があるのは、このセルゲイ・コバレフ。元WBA、IBF、WBO統一王者で、WBCのダイアモンド王座も獲得しています。

この選手のハイライトは、バーナード・ホプキンス戦とアンドレ・ウォード戦ですね

引退間際の選手と戦うことが多い印象がありますが、間違いなく実力者。現王者の中では、最も対戦相手の質がいいといえます。

戦績は35戦32勝28KO2敗1分け。23戦目でWBOの王座を獲得。2013年ネイサン・クレバリーを4回TKOで下し、WBO王座を獲得。

4度目のWBO防衛戦でキャリアハイライトの一つ、対ホプキンス戦を迎えます。

WBAとIBFの王座もかけられた試合でした。ホプキンスのディフェンス技術、タフネス、精神的な強さも見事でしたが、49歳にコバレフの勢いと技術、パワーは止められなかった。

トリニダードやデラホーヤを打ち崩してきた「エイリアン」の晩年という若干の寂しさも感じましたが、コバレフに足を使わされ、スタミナを浪費していきました。

3-0の判定でコバレフの勝ち、3団体の王座を統一します。

32戦目と33戦目はアンドレ・ウォード。結果を先に言いますが、コバレフの戦績の2敗は、このウォードによるものです。

PFPランカー同士の1戦なので注目されました。当時コバレフが2位でウォードが4位。勝った方がPFP1位は間違いないとされ、この試合のタイトルは「Pound for Pound」と銘打たれました。

無敗のPFPランカー同士の戦いは、チャペス対メルドリック・テイラー、デラホーヤ対トリニダードに次ぐ、3試合目です。

ウォードにとっては初めてのラスベガスでの試合。2ラウンドにウォードがダウンを奪いますが、ポイントは接戦で3社ともに114-113でした。

集計によると、コバレフのパンチ数は474発、内126発がヒット。大してウォードは337発で、内116発がヒット。的中率はウォードですが、絶対数ではコバレフです。

2ラウンドのダウンが致命的でしたね。コバレフのこの判定には試合後文句たらたらで、おそらくリマッチだろうと思ったら、やはりリマッチでした。

ちなみにこの試合後、ウォードはPFP2位になりました。当時1位のロマゴンを崩せるパフォーマンスではなかったですね。

リマッチは2017年。今回はウォードの圧勝です。

コバレフがボディでダウンするとは思いませんでした。本人はローブローだと訴えていましたが、変わるはずもなく、レフェリーが試合をストップ。

確かに微妙な位置でした。これで、コバレフは2敗目です。

2試合とも後味の悪い試合になってしまいましたね。しかし、コバレフは次戦ですぐにWBO王座をウクライナのシャブランスキーから奪取し、現在初防衛には成功しています。

そして次戦は上述の実力者、エレイデル・アルバレス。

スティーブンソンに散々待たされ、WBO王者への挑戦となります。アルバレスはカウンター型でスピードはコバレフよりも圧倒的に持っていますが、パワーはどうか。

新陳代謝を起こすためにも、アルバレスに勝ってほしいですが、8月の試合を楽しみにしましょう。

 

ライトヘビー級最強は誰か

ディミトリー・ビボルを最強にしたいと思います。

ライトヘビー級であれだけスピードのあるボクシングは本当に魅力的ですし、もちろんパワーも◎

スタミナ等課題もありますが、それ以外は他王者と同等かそれ以上。べデルビエフかビボルにしようか迷ったのですが、スピードでビボルに分があるかなと思います。

ビボルとべデルビエフなんて実現すれば、相当楽しみですね。スティーブンソンは統一戦や指名試合をしないですし、コバレフは私の個人的見解かもしれませんが、正直試合が面白くない。

ビボルとべデルビエフの今後が、ライトヘビー級を面白くするか否かにかかっていると思います。

 

 まとめ

ライトヘビーには実力者揃いで、スティーブンソン、コバレフのような長期政権を築いてきた王者もいれば、ビボル、べデルビエフ、オレクサンドルのような王者歴の浅いチャンプもいます。

歴の浅いチャンプもベテランを超える実力を持っていると思うので、やはり統一戦が見てみたいです。

今回は、ライトヘビーらしからぬスピード、そして穴のないオーソドックススタイルを持ったビボルを最強とさせていただきます。

おわり

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