本日5月4日(日本時間5日)ミドル級WBAスーパー、WBC王者の”カネロ”アルバレスがIBF王者のジェイコブスを判定で破り、3団体統一王者になりました!
両者とも王者同士の対決でハイレベルな攻防でした。技術力の高かった、この試合の模様を書いていきます。
そしてカネロはミドル級最強なのか?そちらも検証したいと思います。
サウル・”カネロ”・アルバレスVSダニエル・ジェイコブス
ミドル級WBAスーパー、WBC王者の”カネロ”アルバレスとIBF王者のジェイコブスが対戦という事で今年一番のビッグマッチが開催されました。
会場:米ネバダ州ラスベガス、T―モバイル・アリーナ。会場は超満員です、何せ人気者のカネロの試合ですからね。
このカネロVSジェイコブス戦の前にもいろいろ盛り上げてくれました!
試合前日の計量後の両者のフェイスオフで乱闘一触即発と「プロレス」的な興行もファン、メディアに注目されるためか、それとも炎上商法か?
乱闘寸前には「茶番」と色々批判されました。
https://twitter.com/i/status/1124457480568762368
しかもこの試合の計量は前日計量と、当日計量も行う契約を結んだようです。
IBFの団体は当日計量も上限を設けてあまり両者に体重差のないように公平性を保つルールがありますが、統一戦の場合は適用されません。
これはジェイコブスが対格差で有利なのでカネロ側が設けた契約らしいです。
その当日の制限体重は170ポンド(77.1㎏)
前日計量は、カネロが159.5ポンド(約72.3キロ)、ジェイコブスが160ポンド(約72.5キロ)ちょうどでミドル級の制限をクリアで問題なし。
ですが、当日計量の体重は、カネロ169ポンド(約76.6キロ)でクリア。
しかしジェイコブスが173.6ポンド(78.7キロ)と制限を超過!1.6キロも体重オーバーでこれは明らかに確信犯か?
実際に試合は通常通りに行われるがジェイコブスは罰金100万ドルを徴収されるようです。
一方のカネロの方も、契約に当日計量を設けたという事は体格ハンデをなくそうという事。
どちらも試合前から駆け引きをしています。
ですが、ルールがある以上、破ったジェイコブスは自信がなかったのかなとも思います。
カネロは
『気にしない。それでもあいつをぶっ倒す』
と気合十分!試合前から盛り上げてくれます。
カネロVSジェイコブス試合詳細
では試合詳細を書いていきます。
戦前ではパワーのカネロ、手数のジェイコブスとの見方がありましたが、果たしてどう動くか?
あくまで個人的感想です。
1ラウンド
両者並ぶとジェイコブスが一回り大きく感じます。カネロ175㎝、ジェイコブス183㎝。
両者静かな立ち上がり、カネロがプレッシャーをかけてジェイコブスの距離を縮めようとしています。まだまだ様子見です。
一方のジェイコブスは軽いジャブを振って距離を測るような、寄せ付けないような動き。
目立った攻撃はないが手数のジェイコブス優勢か。
2ラウンド
このラウンドもカネロがプレッシャー、ジェイコブスが手数という図式。ですがこのラウンドはカネロが頭を振って速いジャブから接近戦に持ち込もうとする動き。
そして時折得意の左ボディーという流れ。
ジェイコブスが後手に回る。
カネロ優勢。
3ラウンド
このラウンドというか、カネロがプレッシャーをかけてジェイコブスが受けに回るという攻防になってます。
そして対カネロ対策か、ジェイコブスが時々サウスポースタイルにスイッチしてます。
少しでもカネロに戦いづらくさせる作戦か、それでもカネロが状態を動かしながらジャブやフック、アッパーなども出していってます。
ジェイコブスもディフェンス力はすごい!カネロのパンチをすれすれでかわす技術はさすが。
ガードもしっかりしていますので顔面やアゴへの被弾はしない。
カネロ優勢。
4ラウンド以降
カネロのフットワークが見られて、リズムが出てきました。このままカネロペースで行くのか?
ジェイコブスも接近戦で高回転のパンチを放つ。だがカネロのディフェンス力もさすがで、ヘッドスリップでことごとくかわしていく・・
やはり世界の「パウンドフォーパウンド」の選手は技術が高い。無駄なパンチはほぼもらわない!
『これが世界のボクサーか』と観ていて感心してしまいました・・
カネロ優勢で試合は後半へと。
10ラウンド以降
ここでもカネロ攻めジェイコブス守りの図式は変わらず。
もう少し打ち合いも見られるかと思いましたが、被弾を警戒してか、あまり打ち合いは観られません。
ただお互いにディフェンス力はスゴイ!並みの選手だったらとっくにKO負けですよ。
カネロの攻撃が目立つように、左ボディーも入り、左オーバーハンドフックも入り、さあこれからと言う時にジェイコブスのディフェンス+ジャブからの左フックも入るので、カネロなかなかコンビネーションがだせない。
逆に言うとジェイコブスがそうさせていないとも。だがジェイコブスもこのままディフェンスだけだと負けてしまうのでは?
最終ラウンドも序盤は見せ場があったが、終始打ち合いにはならずやや拮抗した形で試合終了
結果は判定へ
カネロVSジェイコブス判定結果
- 115-113
- 115-113
- 116-112
の3-0でカネロ・アルバレスが勝利してミドル級3団体統一王者に!
やはり終始攻勢のカネロが僅差ですが勝ちをもぎ取りました!
ジェイコブスはもう少し手数を出していればラウンド取れていたかもしれません。でもそうさせなかったカネロが強かったという事です。
WBA、WBC、IBF、RINGの4つのベルトを掲げるカネロ!
カネロはミドル級最強?
これでカネロはWBAスーパー、WBC、IBFと3団体統一王者で残すはWBOとWBA正規王者のみ。
WBA正規王者は村田諒太を破ったロバートブラント。
WBOはデメトリアス・アンドラーデ。
統一してもいいが、ネームバリューがどうだか・・
やはりカネロと対戦するにはある程度のビッグネームが必要。
そうなると、ゴロフキンとの3度目の対決か、それともWBC暫定王者のジャモール・チャーロか?
ただゴロフキンはもう37歳でピークは過ぎている感があります。
そうなるとカネロの相手はチャーロか?
今後のマッチメイクに期待です。
ゴロフキンの反応は?
このカネロVSジェイコブス戦をゴロフキンは観戦していましたね。
この試合の感想をゴロフキンはこう言っていました。
「今日は何の感情も、特別な気持ちわいてこなかった。良いスパーリング試合だった。退屈だ。ファンにもっと何かを与えるべきだった」
ゴロフキン強気発言ですね!
まとめ
今年一番のビッグマッチ、WBAスーパー、WBC王者のカネロ・アルバレスが、IBF王者のジェイコブスを判定で退け、ミドル級3団体統一王者になりました。
この試合は一言で言えば技術戦、お互いにオフェンスもディフェンスもハイレベル。打ち合いがなく、すこし盛り上げに欠けましたが、世界のパウンドフォーパウンドの技術力を観れて個人的には満足しています。
この後のカネロは誰と対戦するのか?ゴロフキンか、チャーロ兄か、次戦もカネロの戦いが楽しみです。
おわり