私も含めてですが、ボクシングファンがこのエロールスペンスとマイキーガルシアとの対戦を楽しみにしていました!
IBF世界ウェルター級タイトルマッチ級12回戦、「エロールスペンスVSマイキーガルシア」
お互いに「パウンドフォーパウンド」の選手、そしてマイキーガルシアは5階級制覇がかかった試合。
マイキーは無謀ともいえる2階級上のスペンスとの対戦・・
今年前半の一番のファンの観たい好カードでしょう!
では詳細をお伝えしようと思います。
エロール・スペンスVSマイキー・ガルシア
IBF世界ウエルター級タイトルマッチ級12回戦、3月16日(日本時間17日)米テキサス州アーリントンAT&Tスタジアム。
会場の入場者数は5万人近い模様。それほど今回の対戦はファンが観たい試合という事です。
ちなみにこの試合の映像は、WOWOWでライブ配信されました。
王者スペンスは3度目の防衛戦、そしてマイキーガルシアはライト級王者から2階級上げての挑戦。
マイキーは以前からスペンスと戦いたいと言っていました。そのカードが実現ですね。
でも、個人的にマイキーはライト級の選手(61.23 kg )
スペンスのウェルター級は66.68 kgでその差5.45kg。
一般的に体重が1kg違ってもパンチ力が全然違うと言われているのに、5.45kgもウェイトが重いウェルター級に挑むなんて、相当自信があるか、強い選手と戦いたいという「格闘家」の本能か?
ここで両者のプロフィール
エロール・スペンス・ジュニア
IBF世界ウェルター級チャンピオン
戦績:24戦24勝21KO
通称:The Truth(真実・本物)
身長:177㎝ リーチ183㎝
スタイル:サウスポー
マイキー・ガルシア
戦績:39戦39勝30KO
- 元WBO世界フェザー級王者。
- 元WBO世界スーパーフェザー級王者。
- 現WBC世界ライト級王者。
- 現IBF世界スーパーライト級王者。
- WBC世界スーパーライト級ダイヤモンド王座。
世界4階級制覇王者
身長:168㎝ リーチ178㎝
お互いに全勝で、「パウンド・フォー・パウンド」の選手。
関連記事:【ボクシング】パウンドフォーパウンド(PFP)史上最強は誰だ!
スペンスVSマイキーの試合展開は?
スペンスはナチュラルなウェルター級の選手でマイキーはフェザー級から上がってきた選手。ここ最近のマイキーの戦績は判定勝ちが多いのが気がかり。
どう見ても対格差の優劣はありますね!そこをマイキーはどう攻略するか?
またスペンスの攻撃はボディーから顔面へのコンビネーションの打ち分けの上手い選手で被弾を気にせず前に前に突進してKOの山を築いています。
そしてアマチュア出身らしく、ディフェンス力も◎ガードや身体を少しズラしてパンチをもらいません。
一方のマイキーは、教科書どおりの綺麗なボクシングをします。そしてダッシュ力とスピードがあり、相手の距離を一瞬で詰めての攻撃が得意。そしてカウンターと取るのが上手い選手。
右を打っての左の返しなどコンビネーションも◎
そしてファンに絶大な人気があります!
ですが勝敗オッズは、スペンスの4-1とリードしています。これは妥当なオッズですね!
下の階級から上がってきたマイキーが下剋上達成するか?ファンは楽しみにしていました。
スペンスVSマイキー試合内容は?
それではスペンスとマイキーの試合内容を見ていきましょう。
ホントお互いに、とてもいい表情しています。スペンスはいつもの通りにリラックスしていて、マイキーも試合が楽しみにしてそうで、自信の表れも伝わってきました。
1ラウンド
こうして両者が並んでいると、戦前の予想だともっと対格差が見て取れるかなとも思いましたが、並んでみるとそんな対格差は感じません!
マイキーが上手くウェイトコントロールしたのでしょう。
序盤はスペンスが慎重にガードを上げてジャブを出していって距離を取って戦おうとしています。
マイキーもスペンスのジャブをガードして出方をうかがっている様子。
マイキーはホントにライト級の選手?というほどウェルター級の身体にアジャストしてきましたね。
そしてマイキーがスペンスにプレッシャーをかける場面も・・
だが手数という部分でスペンスのラウンド。
2ラウンド
このラウンドもスペンスの手数が上回っています、そしてマイキーはカウンター狙いか?
スペンスの打ち終わりにフックなどを合わせる感じ。
スペンスの攻撃をマイキーは微妙に身体をズラして被弾しないような動きをしています。
ゲスト解説に「Monste」井上尚弥と伊藤雅雪が来ていて、井上尚弥がマイキーのディフェンスを「半歩動かしてよけている」と言っていましたのが印象的でした。
あまり動きすぎると、自身の攻撃ができませんからね!そんなハイレベルな攻防が観れています。
このラウンドも手数でスペンス。
3ラウンド
このラウンドもマイキーは上手くディフェンスしているが、スペンスが「ガードの上から」でも左ストレートを放っていく。
そしてディフェンスも慎重になっている。
このままだとマイキーはヤバイなとも見れました、実際スペンスは、マイキーのガードの側面から強い左フックを放ちヒットしています。
そしてボディーブローも打っていき、上下の打ち分けができているスペンス。このラウンドもスペンスリード。
4ラウンド
このラウンドもスペンスが攻撃でマイキーが受けに回る展開、マイキーは上手くプレッシャーをかけているが、
スペンスは長いリーチを生かしてミドルレンジでジャブからのボディーブローや左フックで主導権を渡さない。
このラウンドもスペンス。
5ラウンド~8ラウンド
このラウンドになってくると、「対格差の違い」が出てきました。
始めは対格差を感じなかったが、中盤以降はマイキーの方が小さく見えるように・・
それほどスペンスの攻撃が緩まない!
そしてガードの上から打っていったスペンスのパンチが効いてきたか?マイキーの動きが鈍るようになる。
スペンスが時折ラッシュをかける場面も。
ここまでスペンスがリードしている。
9ラウンド以降
ここからはスペンスの独壇場。
スペンスの余裕さえ見て取れる動き。パンチを打ち疲れたら休む⇒そして攻撃とマイキーはなすすべなし状態。
このままだとレフリーストップもあるのではというほど力の差が見えてきました。
並みの選手だったらとっくにギブアップしていると思う。
だがマイキーの眼は死んでいない。
最後まであきらめず、最終ラウンドも勇敢に戦ってきました。
判定結果は?
マイキーは、不利な対格差にもかかわらず、勇敢に戦いましたね!これがファンを惹きつけるのでしょうか?
途中スペンスのTKOかなとも思いましたが、マイキーは頑丈ですね。グロッキーにもならなかった
お互いにやり切った感が見て取れましたね
判定結果は・・
- 120-107
- 120-108
- 120-108
の「フルマーク」でエロールスペンスの圧勝での判定勝利!
ジャッジのひとりは、10-8のラウンドを付けたのでしょう。それほどスペンスの攻撃とディフェンスの上手さが光った試合でした。
スペンスVSパッキャオ?
この試合、6階級制覇のマニー・パッキャオも訪れていました。
そして試合後にスペンスがパッキャオを呼び寄せて、スペンスが、
「マニーは素晴らしいレジェンド。ぜひ対戦したい」とオファー
これに対しパッキャオも、「いいですよ。ファンが望むことをしましょう」と承諾。
これは、同じウェルター級の統一戦が見られそうで、ファンとしたらたまらないです!
まとめ
IBF世界ウェルター級タイトルマッチ、エロールスペンスVSマイキーガルシア戦は、スペンスがマイキーをまったく寄せ付けず、1ポイントも失わずに完璧圧勝判定勝利をおさめました。
こんなフルマークでの判定勝利は最近珍しいのではないかと思います。
普通こうなる前にKOかTKOかギブアップしているので・・
マイキーは不利な対格差でも勇敢に戦いましたが、2階級も上の、しかも相手がスペンスなので、階級の差というか「スペンスとの差」で負けてしまったと思います。
他のウェルター級の多団体王者を見ても、「キースサーマン」、「ショーンポーター」、「クロフォード」などバケモノの揃っている階級。
個人的には、エロールスペンスがウェルター級最強だと思っています。
スペンスがパウンドフォーパウンド1位になる日も近いかな?
おわり