WBSSバンタム級トーナメントも井上尚弥の優勝で幕を閉じましたが、ここに来て尚弥に対し「俺と対戦しろ」という挑発が後を絶ちません。
ノニト・ドネア戦で苦戦を強いられたのが原因と思われますが、そんなバンタム級のライバル達はだれなのか?
またPFPトップに君臨するロマチェンコとの対戦の実現の可能性はあるのかなど、探ってみたいと思います。
WBSSバンタム級トーナメント決勝戦
11月7日に行われたWBSSバンタム級トーナメント決勝戦、井上尚弥VSノニト・ドネアは壮絶な試合となりました。
井上尚弥が「初めて」顔に傷を負って右まぶたを大きくカット、しかも鼻血も出し、右ストレートも被弾して「クリンチ」までもすると言う、井上尚弥にとって初体験ばかりな決勝戦でした。
後でわかった事ですが、右まぶたも5ハリ縫ったり、右眼窩低骨折、鼻も折れていたという中で百戦錬磨のドネアと戦ったのだから対応力、アドリブ力がとてつもなく凄いなと。
でも、この「ピークを過ぎた」ドネアに苦戦したという事実で、バンタム級のライバル達はこぞって対戦を呼び掛けて着る始末・・
個人的にはドネアはどの対戦相手よりも強く、ハードパンチャーです。バッチリ井上尚弥対策をしてきました。
尚弥の弱点もわかっていたのだろうと思います。
恐らく井上尚弥の攻撃時に「ガードが下がる」のを分かっていて、そこにカウンターを当てる。
ドネアが左フックを打つと見せかけておいて、井上尚弥の左ブローに右を合わせる。そんな臨機応変な対応ができるのはドネアの経験値なのだろうと思います。
一方の井上尚弥も右目の異変で「ドネアが二人見えた」状況でアウトボクシングに切り替えてポイントを稼ぎ、チャンスがあればラッシュも見せて終盤もダウンも奪い判定勝利してしまうという冷静さがとんでもなくすごいです!
そんな事もライバル達は知らずに結果だけを見て俺対対戦しろと豪語している、そんなライバル達を見ていきます。
バンタム級井上尚弥のライバル達
現在バンタム級のTOPに君臨している井上尚弥のライバル達を紹介します。井上尚弥に対してどこまで応戦できるか?
まずはバンタム級の各チャンピオンや世界ランカーをおさらいします。
世界チャンピオン
- WBAスーパー王者:井上尚弥 正規:空位
- WBC王者:ノルディ・ウーバーリ
- IBF王者:井上尚弥
- WBO王者:ゾラニ・テテ。暫定王者:ジョンリル・カシメロ
世界ランカー
WBA
- リボリオ・ソリス(ベネズエラ)
- ギレルモ・リゴンドー(キューバ)
- レイマート・ガバリョ(フィリピン)
WBC
- ルイス・ネリ(メキシコ)※シルバー王者
- ノニト・ドネア(フィリピン)
- カルロス・クアドラス
IBF
- マイケル・ダスマリナス(フィリピン)
- ジョシュア・グリア(米国)
- ポール・バトラー(英国)
WBO
- ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)
- ジョセフ・アグベコ(ガーナ)
- 赤穂 亮(横浜光)
世界チャンピオンからライバルと言うと、WBC王者のノルディ・ウーバーリ。弟の井上拓真を大差判定で下しWBC正規王者に。
尚弥も弟の敵を討ちたいとウーバーリ戦に意欲を持っているし、ウーバーリの方も最強の王者を倒したいと意気揚々。
ウーバーリも尚弥の弱点を見抜いている?そうで、ドネア戦も想像通りな展開だったと言うが・・
続いてWBO王者のテテも以前から井上尚弥に「俺と対戦しろ」と挑発しています。ただWBSS準決勝もドネア戦を直前に控えての負傷離脱で逃げる確率が高いのが否めない。
井上尚弥がスーパーフライ級時にも対戦の可能性があったが、逃げたような報道もされています。テテは尚弥と対戦する前に、暫定王者のカシメロとの王座決定戦が控えていますが、その試合に集中した方がいいのでは?と個人的に思います。
世界ランカーでは何と言っても「問題児」ルイス・ネリ。
ネリも、先日尚弥がWBSS準決勝で2ラウンドで倒したエマニュエル・ロドリゲスとの対戦を控えています。
この試合はとても好カード。どちらが勝ってもおかしくはない。ネリは体重作ってこれるか?
この試合で勝った方が、WBC王者のウーバーリの挑戦権を得られます。
ネリも井上尚弥に対し
「彼を標的にしているわけではないが、誰もが我々にイノウエと聞いてくる。自分は取り憑かれているわけでもなければ、懇願するわけでもないが、オレもライバルの選手だ。戦いたければ、オレはここにいる」
井上尚弥はWBSSS覇者になり、世界中の王者とランカーから対戦を呼び掛けられています。以前スーパーフライ級時には「強すぎて対戦相手がいない」と試合ができなかったので、嬉しい悲鳴か?
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更には井上尚弥はトップランク社と契約したので、ビッグマッチも組まれやすい状況になりましたね!
井上尚弥がノニト・ドネアに勝利したので、尚弥がWBAスーパー王者に、そして空位のWBA正規王者をかけて、なんとまたもレジェンドの「ギレルモ・リゴンドー」がバンタム級に来ます。
リゴンドーと、リボリオ・ソリスの勝者がWBAの正規王者に。そしてリゴンドーも井上尚弥に挑発しています。
井上尚弥との対戦について
「もちろんだ。それこそが、オレが118ポンド(バンタム級)にいる理由だ。分かるかい? みんな、この試合を見たがっている。我々が彼らを楽しませることができるかもしれない。私は五輪の金メダルを2つ勝ち取った階級にいるんだ。ここは居心地が最高だ」
ただ目先の対戦相手は、IBFの指名試合になるとの見方、対戦相手はIBF1位のマイケル・ダスマリナス。(戦績:33戦30勝(20KO)2敗1分)
ダスマリナスは、山中慎介のスパーリングパートナーとして度々来日しています。
またダスマリナスは、VSウーバーリ対策で、井上拓真のスパーリングパートナーとしても務めました。
井上尚弥の対戦相手としたら、どうなのだろうな・・
また、あのノニト・ドネアもリターンマッチを呼び掛けています。
おさらいすると
WBAは正規王者をかけて、日本時間12月22日、リゴンドーとソリス⇒勝利者が正規王者。
WBCは、日本時間11月24日、ルイスネリとエマニュエル・ロドリゲスが対戦⇒勝利者が王者のウーバーリと対戦。
IBFは、王者の井上尚弥と1位のダスマリナスの指名試合の可能性。
WBOは、11月30日に、正規王者のゾラニ・テテと暫定王者のカシメロが対戦⇒勝利者が正規王者。
井上尚弥は誰と戦う?
尚弥自身は、弟の敵を討ちたいとWBC王者のウーバーリと戦いたいようです。
一方のWBCは、ウーバーリとネリVSロドリゲスと対戦と言う流れになっていますが、その前に井上尚弥VSウーバーリの可能性が実現するかもしれないと。
ウーバーリの井上尚弥に対する反応
「ナオヤの試合はロッカールームで見たけれど、完全に予想通りの展開だった。ノニトは本当にいい仕事をして、ナオヤの弱点を晒し出した。
ある時点ではノニトがナオヤをほとんどKOしていた。数年前のノニトなら自分の仕事をやり遂げていただろう。
ナオヤはいいファイターでリスペクトに値する。しかし、それだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。彼と戦うなら、俺が勝つだろう」
井上尚弥も現在はトップランク社と契約しているので、話がまとまる可能性もありますね。
対戦順番で言うと、
井上尚弥>ウーバーリ>テテ>リゴンドー>ネリ
かもしれませんね、ただ、テテやリゴンドーも尚弥との対戦の前に負けてしまうかもしれないので、ボクシングは何があるか分かりません。
井上尚弥とロマチェンコの対戦の実現は
同じトップランク同士の「ハイテク」ワシル・ロマチェンコと井上尚弥の対戦の可能性はあるのか?
「ハイテク」VS「The monster」の対戦。
パウンドフォーパウンド2位と3位の対決
関連記事:【ボクシング】パウンドフォーパウンド(PFP)史上最強は誰だ!
ファンとしたらホントにホントに観てみたいカード。
実現の可能性はというと、井上尚弥がスーパーバンタムに上げたら可能性はゼロではないという。
現在、井上尚弥の階級がバンタム級(53.52㎏)
ロマチェンコはライト級(61.23㎏)
ロマチェンコは「ライト級は自分の階級ではない」と公言していて、4団体統一王者になれば階級を下げる可能性も。
ロマチェンコはフェザー級からスタートしています。フェザー級に下げたとて57.15㎏。
井上尚弥がスーパーバンタム級になれば55.34㎏。
体重がグッと縮まりますね。さらには同じトップランク所属なので、ホントに対戦が実現すれば、キャッチウェイト(正規の階級の規定体重ではなく、事前に両選手間の話し合いで決められた体重で試合を行うこと)での可能性も。
ファイトマネーも高騰しそうですね、メイウェザーVSパッキャオ並みになったらホントにすごい!
井上尚弥VSロマチェンコ体格比較
井上尚弥
- 身長:165㎝
- リーチ:171㎝
ロマチェンコ
- 身長:170㎝
- リーチ:166㎝
体格的には、ロマチェンコとドネアは同等なのではないでしょうか。
ノニト・ドネア
- 身長:170㎝
- リーチ:174㎝
むしろ、ドネアの方がリーチが長く懐も深いですね。
一概に単純比較はできないが、体格的にもドネアと同等だったら十分対戦できる!
ドネアも元々はフェザー級で戦っていたので、ロマチェンコがフェザー級まで落とせば差がなさそうですが、ロマチェンコはライト級で戦ってたので、耐久性の面で有利かな。
でも夢のカードは観たい。
井上尚弥もロマチェンコに対し、動きは読めていると言っています。どう戦うか楽しみですね。
今一番見たい対戦です!
まとめ
井上尚弥がWBSS制覇してから、バンタム級の周りがだいぶ騒がしくなっています。
なかでも、各団体の王者から名指しで指名が来ています。
それぞれ各団体の王者を蹴散らすのか、または一波乱あるのか?
そしてあのロマチェンコとの対戦も予想してみました。
ロマチェンコもフェザー級に下げて井上尚弥もスーパーバンタムに上げれば可能性が広がる。
「パッキャオVSメイウェザー」、「ゴロフキンVSカネロ」、「タイソンVSホリフィールド」みたいに「世紀の一戦」はファンは観たい。
そう実現したら歴史に残る対戦カードとなると思います。
おわり